論理力の貧困を解消せんとやばい!
具体例はあまりにも多すぎるので、ここではあえて、非常に形式的抽象的に書きたいと思うのですが、インターネット上の粗悪投稿で多くの比率を占めているのが「論点の勝手なずらし」です。このブログのコメント欄も、ときどきこの種の無用な論理汚染の被害者になっています。
それは最初の投稿者がxyz(abc)、すなわちabc文脈におけるxyzについて書いていると、それへの応答としてxyz(def)、すなわちdef文脈におけるxyzを論じて、最初の投稿者への批判や反論とするものです。批判の対象となっているxyz(def)の発言者は、その時点ではあたりにいませんから、それは、存在しない者に対する批判反論等となります。
彼彼女は、自分の想像に中に作り出した、実在しない、仮想の敵を叩いています。言葉遣いだけは、妙にいやらしいものや、険悪or高圧的なものが多いです。そのような言葉を他人に対し威圧的に使うことに、なにか快感があるのだろうか。
というか、彼彼女は、xyzがabcという文脈で存在する、自分とはまったく異なる、他者の存在を想定想像できない。世界の全員がxyzといえばその文脈は誰しもdefだ、と勝手に信じている。
すなわち彼彼女は、def村の村民であり、ココロとアタマがその村から出ていない。xyzと言えばdefのそれに決まっている、というアタマしかない。そのココロとアタマの中では、人間像が多様化していない。
そんな人物が国の独裁者だと、怖ろしいことになりがちだし、日本でも近い過去にそんな怖ろしい状態があった。昨今のいじめも、村人による非村人に対する虐待行為が多い。
オリジナルの発話者はXYZという含意でABCという言葉を使っている。ところが聞き手や読者の某氏はそのABCをPQRという含意へと理解つまり誤解し、その誤解に基づいて発話者を非難したり、間違った了解を持ったりする。
システムの不祥事の連発がめちゃくちゃ多かったみずほ銀行に、金融庁監督局というお役所が業務改善命令を発行しているが、その説明文書「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について」(R3 11月26日)の中で不祥事連発の「真因」を4点挙げている:
(1)システムに係るリスクと専門性の軽視
(2)IT現場の実態軽視
(3)顧客影響に対する感度の欠如、営業現場の実態軽視
(4)言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢
とくに最後の(4)がおもしろいが、上記4項とも、コミュニケーション能力の貧困、コミュニケーション能力の、最初からのやせ細りが原因だ。巨大銀行3行の合併が孕む、複数の強力な村根性が、全行的コミュニケーション貧困の原因だったかもしれない。
それら不祥事の多くには、過負荷状態の予知対応能力の欠如が関係しているようだが、世界観の狭い村人根性がここにも関係しているかもしれない。本当のシステム統轄者が、いなかったみたい。
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2022年7月に発表されたこの研究記事 は、「システム統轄者がいなかった」問題を掘り下げている。
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