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2021年5月11日 (火)

今月のポジティブ(2021/05r1): 朝日新聞!!

新聞は読むものでなく、動物の世話のための資材の一種なのでめったに読まないけど、だいたい、昼にお弁当を食べるときにはテーブルシートになり、朝刊1面の下半分、下部に本の広告の多い部分が上になる。そこに朝日新聞では「天声人語」というコラムが毎日あり、なんかかったるいことが毎日書いてある。ところが本日5月11日のコラムの冒頭には、

立川相互病院の2、3階の窓には真新しいメッセージが貼られている。「医療は限界 五輪やめて!」「もうカンベン オリンピックむり!」

とある。これをポジティブとして今回取り上げたのは、メディアの本来的な姿、すなわち人びとの声の乗り物という正しい使われ方の例が珍しく存在するからだ。しかもこれは、体制側が無視抹消したがるような、現場の苦しい声だ。オリンピック決行で第二第三のgo toが発明されないためにも、現場の声を大きく取り上げることは重要だ。

余談だが、テレビ東京のパクリのような他局の番組を見て思うのは、なぜそれらが人気番組になったか、その理由を彼らが全然理解していないこと。毎日毎日同じタレントの芸としての顔や姿を見せられるよりも、リアルな人間のリアルな生き方の映像が何百万倍もおもしろいからだ。メディアは。タレント族のためのショーウィンドウではない!! メディアは、人びとのより良き生き方のために使われる公共施設、という認識が普及してほしい。

 

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2021年5月 5日 (水)

貨幣と暴力は夫婦の関係

貨幣脅迫がもたらす、「環境問題」よりも深刻な「人間問題」の、大きな基調(主症状)の一つとして暴力がある。その発症の原因は、貨幣強制が暴力だからだ。一週間何も食べられずコンビニに迷い込んだホームレスにも、一個のおにぎりでも、代価は請求される。払わなければ、食えない。そこでは貨幣が、圧倒的なネガティブな暴力である。

貨幣脅迫という暴力に迫られて、ひりひり追われる日常の中で、一部は、人間の側が暴力化する。

貨幣経済の問題の根源は、それが人間と人間との人間的な関係でないところにある。戦争をめぐるコミュニケーションは数々あれど、戦争そのものがそもそも、コミュニケーションの不能性だ。貨幣も、それと同じ。

 

 

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2021年5月 3日 (月)

共同体の残滓が目と心を塞ぐ

「人間問題」の方が「環境問題」の何万倍も深刻で重大、と先日書いたときは、たまたま引きこもりとそれに対する間違った受け止め方を例挙しただけだけど、もちろん例はDV、児童虐待、女性虐待/差別、一般的に暴力・暴言・いじめなど嗜好、慢性大規模飢餓などなどたくさんある。

でも最大の問題は、「人間問題」が「環境問題」とはあまりにも対照的に、問題として全く対象化一般認識化していないことだ。

貨幣脅迫は、環境破壊をもたらし、並行して人間破壊・社会破壊をもたらしている。

環境は金を儲ける側にとっても大きな問題になりうるが、でも人間だって市場の健康のためには多くの人間が健康でなければならない。悲惨なスラムがいくら広がったって、高度なテクノロジー製品は売れない。

分かりやすいと思われる例として、日本のような、貧困国とは程遠いはずの国に生ずる限界以下の貧困(子どもがメシ食えない!)を取り上げてみよう。

まずこれは、完全な失政なのに、その犯人も含めて誰一人、失政と自覚しないし、その視点が広まらない。

貨幣経済のグローバル化は、ベッドにはマットレスというものがあったのに、ある日から突然それが消えて、ゴツゴツザラザラトゲトゲの木枠の上で寝るようになったこと、などに譬えられうる。多くの人心が荒れる。こないだまでのローカル共同体社会では、お金はあくまでも二義的な存在だった。お金以外の人的環境的クッションが、人びとの生活を支えていた。今は、クッションがない。

政治の上層部も含め多くの人が、そんな時代がずっと続く、続いていると誤信している。子どもが飢えるほどの貧困の拡大なんて、想像もできない。

旧共同体はない、今や全員が金という寒風に対して肌むき出しである、という自覚がないから、ワクチン接種だってずるずると進捗しない。自己責任などという想像上の(非現実的)概念が一部で流行ったりする。金(貨幣)は必然的に差異であり差異の階層だ、という自覚がない。

ボランティアには、量的質的な十分性の保証がない。たまたまそこにあった、少量の、余剰にすぎない。うちがたまたまやってる動物保護だって、相当な労働量のわりには、十分なことはできていない。

アメリカは、今度の大統領が大規模な所得再配分施策を敢行するようだが、彼らにおいても、「人間問題」という大概念の共有がない点は同じだ。

この問題の解決には、世界中の共同認識と今後長年の協働が絶対的に必要だ。

 

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