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2020年3月30日 (月)

新型コロナを相対化する試み

新型コロナウイルス感染症については、統計的に処理できるほどのレベルの数字はまだ出ていないから、読者各位、日頃マスメディアが報じるニュース等の数字から、本当に求める数字の像を類推ないし想像しながら、このささやかな文を読んでいただきたい。

日本の人口は今約1.3億で、1年の死者数は130万。すなわち、1年に死ぬ人の数は全人口の1%、百人に一人だ。1か月の死者数は10万強となる。3日で1万、1日に3000強だ。

新型コロナウイルス感染症による死者数も、その3000強の仲間入りをするわけだけど、果たしてその人数は?

日本人の死因のトップは、悪性新生物(がん)で、約28%、130万×28%=36万、1か月に3万で1日に1000だ。コロナによる死者数が1日に1000前後になれば、相当最強の疾病と言える。

死因の2位は心疾患(心筋梗塞)で15%、130万×15%=19,5万、1日の死者数はざっと500人強だ。

3位の死因は脳血管疾患(脳卒中)で全死因に占める率は8%、130万×8%=10.4万、1日の死者数は300弱だ。

あと、老衰や肺炎が7%台で4位5位を競っている。(老衰が最新データでは3位になったらしい)。

ここから先はまだちゃんと整備された数字が見つからず、マスコミのニュースからのうろ覚え情報だから、根本的に私が間違っている可能性もある。

・このウイルスへの接触者数に対する感染率は20%だ。80%は免疫力の高い健康強健な人なので、接触しても感染しない。ウイルス検査で陰性になる。

・さて、発病率==感染率と仮定すると、発病率は感染率と同じく100-80==20%だ。

・そして、発病した者の死亡率が1〜3%。これももちろん、いろんな説に基づく仮定。

日本人1.3億人が1年間で全員接触したとすると、感染者は2600万人。2600万の1〜3%が死亡するとすると、死者は26万〜78万。これは悪性新生物(36万)を超えることもある強力な死因となる。

1年間で全員接触はありえない、1年で全人口の1/3が接触すると仮定すると、死者数は9万から26万。心疾患や脳血管疾患なみだ。

というわけで新型コロナウイルス感染症はおとろしい病気ではあるけれども、これまでの強力な疾病と比べて極端にずば抜けて強力ではない。人混みを避ける、手洗いやうがいなど、注意は必要だけど、多くの人が、感染しないことや、自分の死因にはならないことを想定できる。その点、そのほかの死因上位の疾病と同じだ。

薬(特効薬)やワクチンは、あればありがたいが、がんも心筋梗塞も脳卒中も、なる人はなる。特効薬やワクチンはない。

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厚生労働省の3/29現在のデータ

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10555.html

では、

累積検査数28760

陽性者1693  == 6%

有症状者数1378 == 上に対し81%

死亡者52

これらは、上の私の文の仮定よりも勢力が少なめである。

3/30についてはこんなのがある;  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200330/k10012357091000.html

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2020年の4月3日の厚労省データには、東京都における感染者数増大の影響が大きく現れていて、
A: PCR検査実施…39446
B: 陽性者…2617≒7%=B/A
C: 有症状者…1838≒70%=C/B
D: 入院治療…2040(+224)
E: 退院…514(+9)
F: 死亡…63(+3)
となり、D, E, Fの(+...)は4月3日ぶんのみである。
ここで乱暴に1億3000万人を検査実施者数として上の計算を当てはめると、1日の死者数700となりがんと心筋梗塞の中間ぐらいの大病となる。特効薬もワクチンもない現状では、やはりたいへんおとろしい病気である。

 

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2020年3月26日 (木)

他者としての天候

これは、前編「後ずさりする犬」の続編でありますが、1年間人間に尽くしてくれた犬たちの拷問的惨殺という悲劇が起こってしまった最上位の原因が二つあると思われる。

1.ひとつは、決定権を持つ上部の人たち…皆オトコだ!…に犬に対する前向きの関心が皆無であったこと。犬のことなどどーでもよい※、という人びとばかり。対して現場の犬係の人たちは、いわゆる“下っ端”であり、どんなに犬たちを愛していても、決定権がない。二人のうち一人は、学生(大学院生)だ。

※: 南極経験の豊富な(1年で南極大陸を1600kmも踏破した!)犬ぞり牽引犬群は、車両(極地では能力に限界がある)など以上に貴重な資産であり、一からゼロから簡単に作れるものではない。すごい能力と労力と時間と資金が要る。優れた上司なら、絶対に死なせる(廃棄する)決断はしなかっただろう。

2.もうひとつは、南極という荒々しい、そして頻繁に激変する天候を持つ地域に対しては、通常のスケジュール感覚が無効であること。そのことを、わきまえなかったこと。なにかをやるに際して(この場合は越冬隊の一次と二次の交替引き継ぎ)、温帯の都市部でやるような限定的なスケジューリングで臨んではならない。南極の天候は、あんたらが考えるほどおとなしく従順ではない。狭い、限定的なスケジューリングを厳守しようとした結果、嵐の中、犬たちを運べなくなってしまった。にもかかわらず、限定的なスケジューリングに固執してしまった。犬は放置され、死んだ。

「スケジューリング概念の南極版」が、そもそもの最初からあって、全員に徹底しているべきだった。それは、選択肢や代替肢の多い、幅の広い、スケジューリングだ。

この結論にたどり着くまで、いろんな資料に目を通したけど、それらの具体的な紹介は別の機会にしよう。

天候が、他者として尊重されなかった。人の勝手ばかりが、通された。

 



 

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2020年3月21日 (土)

後ずさりする犬

動物を扱ったメディアコンテンツはずっと敬遠している。理由は、動物園に対して否定的である理由と共通している。一言で言うとそれらは、動物様に対する他者不在の態度だ。

そんな私が、たまたま最後の20分間を見たNHKの1時間番組を全編、お金を払って見てしまった。「NHKオンデマンド」で見られる「南極タロジロ物語」だ。

犬ぞり牽引用に連れて行った樺太犬10数頭を極寒の南極にほぼ12か月置き去りにした事件は、昔も今も「ひでぇ残酷の動物虐待」という感想しか持てないが、今回関心を持ったのは、奇跡的にその12か月を生き抜いた2頭と、再度訪れた研究チームの人間とのコミュニケーションレベルの関係だ。

私が大嫌いなメディアコンテンツ、この場合は商業的劇映画の中では、犬たちは、自分たちを世話した犬係の担当者に、大喜びで飛びついたらしい。そんなシーンはやはり、動物園的なてめぇ勝手な動物観に基づいている。

でも、それは大嘘だった。その犬たちは、1年ぶりにやってきたその人物が自分たちに接近しようとすると、警戒の唸り声を上げながらどんどん後ろへ後ろへと引いて行った。1年間、食べ物もくれずに寒さの中に自分たちを放置した人間が、嬉しそうな顔をした近づいてくる。なんだろう?これは?。

不可解で怪しいから、接近されると身を引いていくしかない。何だろう?この人間は?。今度は自分たちに、何をする気か?。実はNHKのその番組には、その肝心のリアル・コミュニケーションの場面はない。あとからさらに調べて、わかったのだ。

でも、樺太犬って本当にかわいい。顔はハスキー(シベリアンハスキー)と秋田犬を足して2で割り、体は毛深く毛むくじゃらにして、体重40-50kgとでっかくしたのが、樺太犬だ。今や純血種は皆無で、いわゆる絶滅種らしい。ハスキーのかわいさと、秋田のかわいさを「足した」かわいさではなく、「掛けた」大きさと豊かさのあるかわいさだ。

それを(南極でもーれつに役に立った彼らを)零下40-50度の極寒と飢えで殺してしまうなんて、私の神経には絶えられない残酷だ。彼らは、後にも先にも、救出する工夫をしていない※。いや、そもそも、最初から放置しない工夫もしていない。

※: 犬たちを放置したままの撤収が2月24日だから、南極の冬の再来までまだ数十日はある。その間、外国の装備の協力を求める方法もある。費用は、政府予算がどうしても無理なら※2、大声でスポンサーや寄付を集めまくる方法もある。何もせず、まる12か月放置は、どう考えても馬鹿げているし、愚鈍な超残酷だ。

※2: ボランティアの動物愛護団体「カラフト犬を見守る会」の会長、成瀬幸子さんが救出を文部省に何度か陳情したが、無駄だった。ちなみに、このお話で女性が登場するのはここだけ。


人間の、動物に対する、他者不在の態度。それは、あまりにも安易な、残酷に結びつきやすい勝手な態度だ。それは何よりも人間に、歴史的不幸をもたらすだろう。度重なる新種ウイルスの来襲が、人類滅亡の兆候でなければよいが。

 

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2020年3月 4日 (水)

今月のポジティブ20200304…(続)

国連で日本人としてトップの事務次長を務める中満泉さん:
・「女性がテーブルについて交渉した和平合意は、男性だけで交渉した和平合意に比べ、15年間持続する可能性が35%高まるという研究結果があります。」
・「経営陣に女性がいる会社は、そうでない会社よりも営業利益率が高いという結果が出ています。」
・「消費者の半数は女性ですから、そのニーズをよく分かっている人が入ることで業績が上がるのは当然です。」
(以上、「毎日新聞」3/4)

 

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今月のポジティブ20200304…独自取材のニュース

今朝4時台の日テレのニュースは、トイレットペーパーの店頭からの払底の原因がメーカーの生産減/過少や在庫減/過少ではないことを独自取材と分析で報じていた。元凶は、買い占め行為そのものだった。メーカーの生産、在庫、流通配送行為そのものは、ふだんどおりだ。中でもとくに配送は、買い占め行為が起こっているからトラックの台数や便数を増やすといった馬鹿な行為はしていない。だから、買い占めによって店頭が空の時間が生ずる。

こういったジャーナリスト根性を常日頃発揮して、○○省××局はこう発表しているが現状は違う、といった報道内容になれば、ニュース番組が初めて生命感を持つ。今の、原稿を読んでるアナウンサーの顔ばかり映るという無意味愚劣はなくなる。あの映像は、情報量ゼロどころか、マイナスだ。

民放のニュースは芸能ニュースが多くて気持ち悪いが、中でも特に日テレは多い、というネガティブな印象を持っていた。今朝は、同局のニュース番組をすこし見直した。

 

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2020年3月 2日 (月)

デマやフェイク情報

インターネットがデマやフェイク情報の多い場所であることは、かなり前から知られていますが、今回の疫病についても同様です。いろんな話や説が、入り乱れています。

しかも私たちの多くは、疾病情報の多くについて真贋を見抜けません。それらに、いちいち心を左右される必要はないと思います。

知りたいことは、かかりつけのお医者さんに、外来として行ったときなどに聞けばよいし、症状があるときは都道府県(〜市町村)の正規の機関にアクセスすればよい。

今のインターネットは、本人性と対話性をごっそり欠いているので、良くないことが平気でのさばります。

インターネットをどうするか、ではなく、時期が来たら、コミュニケーションのネットワークというものを、本当に真剣に、そこで初めて、考え立てるべきでしょう。

今は、「そうであってはならないもの」を、さんざん経験している時期ですね。

 

 

 

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