貨幣==麻薬
そして、人類のコミュニケーション不能の、今や宗教をもしのぐ、最高最大の表象である貨幣経済もまた、その全規模にふさわしい巨大な最大規模の、悲惨な、貨幣不経済を基盤としてのみ、成り立ちうる。それを別の言葉で言えば、貨幣の価値は差異と、差異の巨大な階層である。
貨幣はその保有と使用が悪質な(==他者不在の)安楽と悪質な高揚を与えるという意味で、一種の麻薬であり覚せい剤である。それは、貨幣がn円得られているところには、同時にどこかにn円得られていないことが存在するから、その差異こそが他者不在であり、言い換えると貨幣の唯一の原料が他者不在である。富者は、膨大な量の他者不在を累積する。そして貧者は、克服しがたい量の他者不在の障壁にあえぐ。
貨幣が社会の主導権を握っているかぎり、他者を蹴落とす、競争する、だます、ごまかす等々の悪質な他者関係は存続する。卑小な人間がなくならない。それが、社会だけでなく環境の荒廃にもつながる。
人類は所詮、そんなお粗末な劣悪な生き物だった、で終わるのか、そうでないか、それは分からない。各所の、細々とした活動の芽には、希望が感じられないわけではない。
貨幣の麻薬漬けから醒めて、コミュニケーション指向へ脱皮する人が、少しずつでも増えていくことに希望を託したい。
最近のコメント