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2016年6月13日 (月)

You don't have it free, no.

そもそも、同じ市で1日前に起きた、歌手の銃殺事件が、マスコミ上ではどっかへかき消えてしまった。一人よりも50人の方が多いから。あらゆる戦争の悲惨の中で、原爆だけが異様にもてはやされるのと同じ。

銃の保有の自由が社会的利益だというのなら、その利益を得るために支払われているコストに、アメリカ人、アメリカ社会は納得しているのか? 人間は、10人に一人は、とくにアメリカ人は、ないしとくにオトコは、「馬鹿」という名の病人だから、無意味な殺人事件は今後もどんどん起こる。それが、この利益のコストだ。それを支払うことに、合意はできているのか。

擁護派は、全員が銃を持てば抑止できる、というが、その議論はもちろん現実性がない。まやかしである。馬鹿は相変わらず活躍するし、むしろ増える可能性もある(誤射は確実に増える)。だいたいそもそも、銃による防御反撃がタイミング的に間に合わないケースが圧倒的に多いだろう、現実の場面では。

だから、原則無差別の“刀狩り”が、唯一の現実的な政策だ。

ただで得られる利益、というものはない。むしろ、
(内部)経済はつねにそれと同額以上の(外部)不経済を作り出している

There's no free lunch.

このランチの値段は、誰一人買うべきではないほどに、高すぎるのではないか?

NRAにはその1/10でも、負担する気はあるのか?

ーーーーー

あの、これが世界のメジャーな民主主義先進国のしかも伝統的二大政党(の一つ)を代表する大統領候補とは、とても信じられないような、“泡沫候補の化け物”のような人が、フランスには銃規制がある、銃規制は無意味だ、と主張している。この泡沫候補の愚かしい言動をいちいちチェックするのは、よほどのひま人でも難しいが、ここでは言っておく必要がある: フランスなどでは、アメリカのように、ほとんど毎年、しかも多くの場合複数の、銃撃事件が起きることはない。アメリカにおける銃は、かなり前から、異様である。そもそも、前日には同じ市で22歳の女性歌手が銃で殺されている。

(この怪物泡沫候補の問題は、登場原因の一つが、アメリカ社会における(さまざまな意味での)格差の拡大と固着→その結果としての馬鹿の増大、もうひとつが、彼が代表する政党が代表している古典的アメリカ的保守主義が、国内的にも国際的にも今や存在価値/存在意義を失い、党が、陳腐化した無意味な党になっていることにある(もはや中にも回りにもろくな、魅力的な、人物がいない)。)

※: フランスなど一部の国の銃規制は、その実装に大きな欠陥があると思われる。とくに、対隣国出入り関係の部分に。


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コメント

>擁護派は、全員が銃を持てば抑止できる、というが

ありえない。というか、そんな状態を平和・安心・心かよわす社会と言えるのだろうか。神経を疑う、というか、そもそも別の神経をもっているとしか考えられない。
国土を銃によって奪い取った、という過去の歴史がものを言っているのか。
根本的に他者不信。

投稿: s,n | 2016年6月13日 (月) 19時47分

銃の文字を核に置きかえることもできる。「馬鹿」は必ずいるわけで、抑止力もへったくれもないでしょう。

投稿: musataro | 2016年6月13日 (月) 21時53分

銃で勝ち取った我が国という歴史を直視&反省したくないのでしょう。

もちろん、そんなわがまま許されるはずがない。

投稿: 南 | 2016年6月14日 (火) 07時48分

それと、アメリカの勘違いは、いつも自分達が「完璧」なんだ。世界のスタンダードなんだと思っていること。もちろんテロという行為は許されない事だけど、どこかイスラムとかロシアなんかもそうだけど、その文明を侮蔑している感じがします。だから駄目なんだよなぁ。
それとやたらと「民主主義の、、」とか旗を掲げたがるけど、堕落した民主主義ほど手に負えないものはないよ。

投稿: musataro | 2016年6月14日 (火) 21時07分

呉智英氏のように、民主主義はファシズムだと言っても、大半の人はえーっと驚くだけだろうな。

投稿: bad | 2016年6月21日 (火) 13時38分

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