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2015年9月22日 (火)

ローカル権力(II)

今や世界はたいへんなことになっておりまして、太平洋の片隅の勤勉有能な労働者の多い小島の(比較的)平穏も、やがて崩れるかもしれない。

想定しなかったことは、往生際の悪い、武力暴力大好きのローカル権力の健在と、彼らによるグローバル化への抵抗だ。数世紀、そこらを搾取してきたヨーロッパは、その社会構造を放置した。北朝鮮などその一部は、もちろん、数世紀とは言えないが、北朝鮮の場合、親勢力たるロシアも中国もその社会育成は完全に怠ってきた。

しかし、あのジャーナリスト殺害事件のようなことが、日本国内で起こったらどうか。当然、警察という名のlaw enforcementが動いただろう。今回は、日本もどこも、law enforcementは動いていない。グローバルには、法も治安もどちらも不在だから、今のところは。何もできず、手をこまねいている間に、殺人行為は彼らのプロモーション込みで行われてしまった。治安の不在のエアーポケット内で、ローカル権力の残滓が暴力を肥大させつつ、のさばる。

しかし重要なのは、解決手段が「戦争」であってはならない、という点だ。戦争なんて言うと、まったく尊敬すべきでない相手を、尊敬しちゃったことになる。解決手段は、国際協力による治安活動でなければならない。

日本の保守勢力も、また反保守勢力も、どちらも、頭の中、心の中で、治安行為と戦争行為のくっきりとした分別がなされていない。それが明示的に確立しないかぎり、力の行使場面の是非をめぐって、無意味な議論の泥仕合が今後も繰り広げられるのだろう。

アメリカが行う戦争に助っ人するのは、完全に馬鹿げているし憲法違反だが、グローバル治安行為への参加は、どの国でもしなければならない義務だろう。

例:ベトナム戦争は、明らかに戦争(しかも完全に愚劣無意味な戦争)であって、小指の爪の先ほども、治安行為ではない。

無残に殺されてしまう罪なき人びとの霊にしっかり報いるためにも、国際治安の強力化を急ぐべきだ。そのために絶対に必要な国際司法/グローバル司法は、並行して徐々にできていけばよい。最初は、人類共通の道徳観みたいなものがグローバル司法の芽であればよい。

乱暴なローカル権力の平定と並んで、いや、平定努力そのものの強化のためにも、かつての搾取とは逆の、各地元の社会育成がぜひとも欠かせない。マララさんは喝破していた: 「彼らには教育が与えられていないし、まわりに本がなかった・今もないだけだ。だから銃を持つ」と。

「戦争」と「治安行為」をはっきり分けて考えるようになれば、今のマスコミや論者等における…戦争や軍備の是非等をめぐる…ぼあぼあもわもわと混乱した議論が鎮静消滅するだけでなく、国際社会のあり方・考え方が抜本的に変わるはずだ。国際的コンセプトとして、「治安行為」がexplicitに確立していない。この曖昧模糊としたままでは、コンゴなどで死んでしまう国連などの人たちが、あまりにも気の毒である。そしてもちろん、「治安行為」は、国際協力による計画であり行為である。

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コメント


「国がわしらの生活を、外国の猛威から守ってくれとるんじゃけー、わしらも国のために尽くさんといかんのじゃぞー」

昨日の「言って委員会」で面白いコメントは「日中関係に友好なんて文字をつけとるのは日本だけである。中国のテレビ番組ではいかにして自国の利益を上げることしか関心がなく、そのことについてしか討論しない。日本のこんな幼稚な番組は存在しない」と言い切った場面だった。ふ~ん、てなもんである。それを受け日本のコメント屋も「友好という文字がとれて初めてまともな関係になる」とかぬかしていた。

レノン様が唯一主催したコンサートがone to oneコンサートというのも面白い。障害者一人に一人の介護士を、という名目だったっらしいが。これを「国と国」のコミュニケーションじゃなく、「ー人と一人」のコミュニケーションの充実に目を向けよう、という趣旨があったんじゃないかと願いたい。

投稿: | 2015年9月28日 (月) 07時50分

訂正
面白いコメントは、中国人の実業家が「日中関係に・・・

「国と国」の垣根を越えて、「一人と一人」のコミュニケーションを充実させよう、という趣旨であったと願いたい。

投稿: | 2015年9月29日 (火) 07時56分

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