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2015年9月 6日 (日)

傷だらけの20-21世紀

古くて不人気な映画のレビューをAmazonに書いても、読者ゼロという可能性も大きいので、ここなら読んでくれる人が何人かいると思われるので、引用しよう。「フラッシュバック」というイギリス映画のレビューだ。


世紀をまたいでフレッシュに未解決のイシュー、ロックとその世代

テンポも悪く、かったるく、ストーリーのめりはりもなく、くだらないセックスシーンとかも多く、駄作凡作の古いテレビドラマと思って、最初のうちは見ている。カメラワークと編集と音楽とキャスティングがていねいできれいなので、それに惹かれてずっと見入ってしまう。すべての登場人物の演技が、やはりていねいできめ細かくて淡々と自然に見えて、まったくいやな感じはない。それに、心惹かれてしまう。

そして最後のあたりで、主人公のせりふから、この全体の、抑えた、かったるさの真意が語られる。

登場シーンの時間こそ少ないが、あの、何代目かの007でスターになった男優の、唯一最高の佳作ではないか、と思われる(演技も、自然で抑え気味で良い)。「パイレーツオブ…」などで大スターになった男優の、唯一最高の佳作が「ギルバート・グレイプ」であるように。

こんだけ落ち着いた、きめ細かい、レイドバックな、ローキーな作品は売れなくて当然か、Wikipediaで見る興行成績は、両作とも、悲惨である。

テーマ曲であるIf There Is Something(Roxy Music, 1972)や、タイトルバックのIt Ain't Easy(David Bowie, The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars, 1972)は、古さよりも、40年後の今日なお新鮮なまま生き続けている、現代世界の傷口を、あらためて自覚させる。

住宅地近くの海岸に、第二次世界大戦時の機雷が未処理のまま放置されているという、無理と思われる設定(==この映画の悲劇性の核)も、その無理を通した作者の意図を、汲むべきかもしれない。

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コメント

映画もたまには見なければいけない。

人生とはなんと忙しいものであることか。

投稿: 南 | 2015年9月14日 (月) 16時24分

@南
RoxyやBowieの曲が使われてるので関心を持っただけですが、意外と良い映画だった。

投稿: iwatani | 2015年9月14日 (月) 17時58分

つまり、映画にしか描けないというものもこの世にはあるので油断(?)してはならないということかと。

それが、忙しくもあり悦びでもある。

投稿: 南 | 2015年9月15日 (火) 08時19分

リチャード レスターの自伝に載っていた事なんですけど、ジョン レノンが「僕の戦争」と言う映画に出た時、リチャード 
レスターと主役の人とレノンさんの三人で「
敵が攻めてきたらどうするか」と言う事について話をしたそうです。リチャード レスターと主役の人は「戦争には反対するが、敵が攻めてきたら戦う」と言ったのに対して、レノンさんは「僕は戦わ無いよ。戦争の偽善が嫌なんだ」と答えたそうです。映画自体は失敗作と言って良く、レノンさんが出ている以外見る価値の無い作品だと思いますが、このエピソードは、大変強く心に残っています。

投稿: こうじ | 2015年9月22日 (火) 01時13分

@こうじ
> リチャード レスターの自伝
書名を教えてください。
(ポールなどが書いた“伝記”はあるようですが。)

投稿: iwatani | 2015年9月22日 (火) 08時06分

「ビートルズを撮った男」 アンドリュー ユール著です。ポール マッカートニーが前文を書いています。今手元に無く、覚えているのは、ポールが前文を書いている事と、ジョンのこの話だけでした。それだけ印象に残った話です。今調べたら1996年出版となっていたので、もう20年近く前のほんです。

投稿: | 2015年9月22日 (火) 10時03分

作者がいるので自伝ではなく伝記のほうが正ですね。

投稿: こうじ | 2015年9月22日 (火) 10時06分

作者がいるので自伝ではなく伝記のほうが正しいですね。出版社は、プロデュースセンター出版局です。ネット通販で今だに買えそうですが、はっきり言って高いです。ネットの古本で800円ぐらいで買えそうなので、読みたい人はそちらを当たるのが良さそうです。電子版には成って居なっかたでした。

投稿: こうじ | 2015年9月22日 (火) 10時16分

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