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2015年4月13日 (月)

リアルタイム・ピアニスト;イングリット・フリッター

1973年生まれで2000年にショパンコンクール2位というから、私の知ったタイミングが遅かっただけだが、この方のモーツァルト・コンチェルト23番を聴いてぶったまげた。いわゆる流麗な演奏とは対極の、パキパキポキポキした音でがんがん弾いていく(音自体はたいへんきれい)。モーツァルトの音楽でも誰の音楽でもない、「そのときの自分の音楽」を気合満点でぶちまけているから、テンポがオーケストラの“正しい”テンポと一瞬ずれることがあるし、楽譜にはない即興のフレーズを弾いてしまうこともある。聴衆はそのペースに最後まで縛り付けられてしまう。拍手は全曲終わってからがスタンダードなマナーだが、ここでは第一楽章の終わりですでに拍手が入る。きわめて異例。

なにを弾こうと、それは、そのときの自分の音楽、という、すごいリアルタイム性。その人自身の、生きた音楽、生きた音。目から(耳から)うろこの、ニューウェーブクラシック。最高最良のロックに近いかも。

ちなみに短時間試聴のできるAmazonで、ショパンのワルツを、この人のと、わりと評判の良いアリス=紗良・オットので聴き比べてみるとおもしろい(有名な子犬のワルツとか)。両人の、音楽に向かう角度が90度か180度ぐらい違うことが分かる。

男性ピアニストでは、David Frayという人の音に、新しさを感じるのだが、この方について書くのはまたの機会にしよう。YouTube上にいろいろあるので、おひまな人は聴いてみられるとよい。


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コメント

イーヤッホー! 明日から6日まで、また“めざみの里”で催事である。今回は6日間の長期滞在である。皆さん、もし近くを通られたら寄ってみてね。今週いい天気が続いたので、来週の天気が心配だが、しょうがない。出たとこ勝負で行くのである。それでは、皆さん良いゴールデンウィークを。ごきげんよう。

投稿: ohiya | 2015年4月30日 (木) 06時24分

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