ネットワーキング前夜の悪夢
ネットワークという完全グラフ(全ノード連結全ノード互角対話通信)を紙切れにでも頭の中にでも描いてみると、階層がそのサブグラフであることが簡単に分かる。すなわちネットワーク上に階層を実現すること、ネットワークの小部分(サブ)を階層として利用することは、十分に可能である。
言うまでもなく、ネットワークの階層的利用は、ネットワークのネットワーク的利用、すなわちネットワーキングではない。すなわちそこには、完全相互的非排他的な対話・会話関係がない。
ネットワークの階層的利用は、インターネットにおいて、いまや宗教と暴力を振りかざす階層志向により最悪の状況になりつつあるが、しかしそれは、それこそが、今日(まで)のコミュニケーション不能人類に唯一可能な、ネットワークの利用形態、ネットワークの、階層サブグラフ的のみの利用形態である。今のインターネット上はもとより、それ以前のBBSの時代においても、ネットワークの匿名性が猛威を揮い、劣悪な階層利用(言ったら言いっぱなし、対話性を最初から意図していない)を試みる“トロル”とか”荒らし”と呼ばれる劣悪な人びとが、とくに日本などでは、跡を絶たない。
すなわちインターネットと呼ばれるコミュニケーションの完全グラフは、今の人類の多数派であるコミュニケーション不能人種にとって、豚に真珠、宝の持ち腐れである。国際司法充実期の遠未来においては、ネットワークの階層的利用が禁じられるだろう。完全グラフ的==対話的・会話的利用しか、してはいけない。
Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace
有名なImagineのこの歌詞では、宗教(階層の絶対化)がなくなれば、すべての人が、ひとりひとり、全員、単なる、ただの人、ただの個人として、完全グラフとしてつながれる==ヨコヨコにコミュニケーションできる、はず、と言っている。
今の、階層的利用(==ネットワークの不正な使い方)が圧倒的に支配する悪夢のようなネットワーキング前夜は、いつ夜明けを迎えるのか。まあ現実には、一歩々々地道な努力を積み重ねるしかない。
本当に実現を目指すなら、生きていなければならないから、君子危うきに近寄らず、と言う。虎穴に入らずんば虎児を得ずは、残念ながら、乱暴なオトコの論理(他者不在)に過ぎない。ほぼ全員、母虎に噛み殺される。
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コメント
粗暴な、オトコによるオトコのための新しい諺。
「おけつに入らずんばアナを得ず」
(解説。硬い意思(モノ)でなければ通用しないこと)
オー、引いていく引いていく。潮干狩りかい。
投稿: ohiya | 2015年2月10日 (火) 05時17分
嫌な時代になって来たと思っていましたが、そういうことだったのですか。
この、カオスをヴァーチャルな地獄を克服しなければならないのですね。
投稿: 南 | 2015年2月10日 (火) 08時27分
完全グラフとしてつながれる、ヨコヨコにコミュニケーションできるとは、こんな人の事を言うんだろうな➡情熱大陸「社会起業家 向田麻衣」(2015/2/8放送分)
見ていて羨ましいくらいの気持ちになってしまった。
投稿: mustaro | 2015年2月11日 (水) 06時50分
ざっくりとどんな内容だったんですかね?
投稿: ohiya | 2015年2月11日 (水) 07時58分
@ohiya
gyaoの無料動画で観れますが、
こんな感じ➡人身売買やレイプ等で傷ついたネパールの女性に、お化粧の力で自尊心を取り戻し、自信を持って生きていくサポートをしようとひたむきに走る、社会起業家・向田麻衣を追う。
起業家といってもほとんどボランティアみたいな事から始めているようなんですが、家賃一万五千円のアパートに住んでいて、「何にもないですね。私。ものが」と言って笑うところが印象に残りました。ずっっと観ていくと、何にも持っていないどころか、ものすごく豊かな女性であることがお解りいただけるかと思います。
投稿: musataro | 2015年2月11日 (水) 08時30分
Thanks.動画見ました。確かにヨコヨコですね。
感じたこと。
1 手応えは本当にささいな喜びだけど、それが第一歩として重要なのかな、ということ。
2 会社を辞めて一人で動き出すのが、スゴイ。あきらめないこと。
3 やはり人は本能を求める。本能を満たすことが喜びになる。
4 ヨコヨコは上層に対して、どこまで有効か? だけどそれはこれまでのように、「打倒!」「変革」とかいう直接的に働くものじゃないんじゃないか。それよりも上層に対して「無視」とか「関わらないで済む関係社会」を作ってしまうことに意義があるんじゃないでしょうか。
投稿: ohiya | 2015年2月11日 (水) 12時00分
なんかオトコにはああいうヨコヨコのコミュニケーションは、似合わないなーとつくづく思うね。ああいう密着した活動はできない。なぜならオトコとはあのゴルゴ13のように、パーソネルスペースを取っていないと気がすまない性格だから。なぜか警戒心が強すぎる。結局、小心者なんだろうね。どうなんだろう。やはり女のように、子供を産んで世界を作っているという自覚・自信のなさに現れているのだろうか。自分は女から生まれた、この世の借り物的存在でしかない的な心情。そう、安住できないのかも。だからプライドにもこだわるのかも。で、自分の創りだした権威にすがりたいのだろう。
哀れでカワイソウだけど、そんなやつが実権を握るから、スゴクヤバイのである。
投稿: ohiya | 2015年2月12日 (木) 07時39分
しかし。。ですが。確かに、あえて真のヨコヨココミュニケーション社会を実現するためにも、現在の世の中では、「君子危うきに近寄らず」ってぇことは必要になるかなぁとも思う。子虎が寝ている巣穴にずかずか入っていったら、そりゃぁマナー違反というかルール違反です。
投稿: musataro | 2015年2月16日 (月) 22時37分
ヨコ社会の実現のために、もう一つ昔のことわざを。「情けは人のためならず。」 これと並んで思いついたのが「悪意は自己のためならず。」なんてね。自己と他己(I and I)は具体的に密接に関わり合っているから、相手にしたとうりの事が自分に跳ね返って来るんじゃなかろうか。
愛には愛が、憎しみには憎しみが、情けには情けが。そういやAbey Roadの最後にも歌っていたよなー。ということは、自己を正しく大きく認識することが、他者(社会)と正しく付き合う第一歩であったりして。自他不可分の自己として。
投稿: ohiya | 2015年2月17日 (火) 04時29分
@musataro
> gyaoの無料動画で観れますが
恒久的に見れるのは、YouTubeです:
https://www.youtube.com/watch?v=wyxg7p0JNv0
投稿: iwatani | 2015年2月18日 (水) 14時12分
@iwatani
ありがとうございます。忘れないようにしよう!
投稿: musataro | 2015年2月22日 (日) 23時25分