« またまたおなじみ「日本村人のコミュニケーションレス」 | トップページ | 外来種 »

2014年4月13日 (日)

またまたおなじみ「日本村人のコミュニケーションレス」(2)

なんか、年寄りではなく若い人でも、自分の言語観(感)/言語価値観を絶対視して、ほかの人の文章や言葉遣いを否定する人がけっこういるのには驚きだ。このテーマについては、このブログでも何度か取り上げてきたし、以前のエッセイ集にも関連する議論がある。でもなかなか、こういう「言語の他者性」という観点は、広く普及しない。

むしろ、1950年代以降に生まれた日本人の多くは、大きな悲惨なショックを経験してないぶん、退化しているのではないか、と感じることも多い。

他者・他者性の存在と認識を前提とする論理的思考力の発達がゼロの人は、自分の目の前に広がる視界が、唯一の世界であり宇宙だ。これまでの、あらゆる宗教、哲学、世俗知などが前提してきた世界/宇宙が、まさにこの、単一世界単一宇宙だ。他者性に基づく、複数性がない。

で、この視界宇宙の中では、すべてのものが、視界内の物、オブジェクトでしかない。立ってるものが、人間でも電信柱でも、単純に同格に物、オブジェクトである。で、その宇宙の円満な調和を乱すやつ、たとえば、自分の言語観言語価値観に違反している言葉遣いとそれをするやつは、汚物として否定しなければならない。

しかし、コミュニケーション有能性の前提となる、正しい宇宙、すなわち複数性の宇宙においては、ほかの人間や生き物は、objectではなくて、another subject、すなわち自分とは違う、別個の主体である。それらに対しては、自分の価値観なんか通用する保証はまったくない。自分の価値観を強制するのは、失礼である。むしろ、他者が自分とは全然違うことを理解し、リスペクトしなければならない。

そこから、日本人(等の)コミュニケーションレスからの脱却、成長が始まる。

※かつてこの記事でシェアした企業再生ストーリーの主人公(もちろん、頭も心も醜いオトコではなく女性)は、その中でこう言っている:"たとえば「女優」というありふれた言葉でも、その抱く意味、イメージ、ニュアンス等は人それぞれで違っている。したがって社員とのコミュニケーションは、一人一人べつべつにやらなきゃだめ」。この方はまさに、このブログが展開しているコミュニケーション論の重要部分を、すでに現場で実践しておられるのだ。すごい!!


(本稿未完)


|

« またまたおなじみ「日本村人のコミュニケーションレス」 | トップページ | 外来種 »

コメント

楽をしたいのでは?。

人生の目的が「快適」にあれば当然かも。

その結果としての残酷に気づくこともない。
これも楽。

投稿: 南 | 2014年4月14日 (月) 08時54分

ジョンレノンを殺したバカも、ジョンが具体的な他者と見ないで、何かobjectに見えたんだろうか。

投稿: bad | 2014年4月15日 (火) 20時14分

@bad
詳しいことはしらないけど、FBI説(?)をはぶけ
ば、まさにドンピシャでその通りだと思います。坂本
龍馬にしても暗殺、否、原爆投下を始め戦争が最たる”他者阻害”でしょ。
「言葉の他者性」
思いついたのはジョンが、コールドターキーのシング
ルチャートが下がったのとベトナム参戦を一緒にし
て、BMI勲章を英政府を返還した時の事を思い出しま
した。ジョンにしたら、コールドターキーのくだりは
大げさにならないようにした軽いジョークのつもり
が、またしても同じ受勲者からマジで大激怒をくらっ
たらしいです。
自分に関しては、「いやはや、」がそうなのかなぁ。

投稿: Ohiya | 2014年4月17日 (木) 07時37分

しつこくて申し訳ない。「他者性に基づく、複数性が
ない。」ここを一番に指摘しているように感じまし
た。固定観念を外すこと。まったく逆の立場から見
てみること。俯瞰図として見ること。etc,etc.
「他者・他者性の存在と認識を前提とする論理的思考
力」。マーケティングに必要。サンキュ。

投稿: Ohiya | 2014年4月18日 (金) 04時55分

このiwatani氏のブログ全般に言えることだと思う
が、氏の論説の理解のために朗報があります。特に新
しい読者の方にお薦めする本があります。それは、
ジャストシステム発行の「ラジカルなコンピュー
ター」と「思想のためのインターネット」という本で
す。これらの本は、氏が’92から’96年までの間
に「現代思想」という雑誌に連載していたのをまとめ
た書籍です。20年以上経過しているものの、中身は
先鋭的な内容です。逆に20年以上前に、こういう論
説をよく展開していたなんて、と思わざるを得ませ
ん。

PCのプログラミングの重要性、コミュニケーション
学についての論考など初期の段階での氏による説が書
かれています。今読んでも説はブレテはいませんし、
初期の段階ですからより丁寧な、分かりやすい内容に
なっているかと思います。でも私には充分、咀嚼しに
くい難しい本でしたが(^O^)。 とにかく、
氏による今の論説の説明書的なありがたい本です。
amazonで検索すると一発でヒットします。コミュニ
ケーションに興味があるなら、どなたが読んでもため
になるかと思いますので、是非お薦めします。

投稿: Ohiya | 2014年5月 8日 (木) 04時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/140652/59463050

この記事へのトラックバック一覧です: またまたおなじみ「日本村人のコミュニケーションレス」(2):

« またまたおなじみ「日本村人のコミュニケーションレス」 | トップページ | 外来種 »