Nexus 10を買ったのはたぶん半年あまり前で、それはAmazonのeブックを読むために買ったKindleというデバイスが、それを“コンピュータとして”見た場合にはあまりにも不具なので、タブレットなら一応立派にコンピュータだろう、と想定したからだ。そこにKindleアプリ(無料)をインストールすれば、ebookは読める※。
※: だいたいそもそも、US Amazonは、パソコンの上のふつうのWebブラウザ上でKindleのebook(もちろん自分が買ったやつ)を読めるWebサービスをかなり前から提供している。日本Amazonは、何度リクエストしても未だに無対応だ。パソコン上~Web上で読めりゃ、まったく問題ないのに。ちなみに、私の買ったKindleハードウェアはAmazonに返品した。
しかしNexus 10もタブレットとしては大型でも、画面はパソコンに比べるとうんと小さいし、音楽の音質はお粗末だ。YouTubeなどの上の音楽ビデオを良い音質/画面で聴きたい/見たいときは、Nexus 10をHDMIケーブルでテレビにつなぐ手がある。今はまだ、インターネットテレビの普及前夜だし。
いちいちケーブルでつなぐのは面倒だが、最近はChromecastという便利なものがある。アメリカの雑誌等の一部では、2013年のハードウェアガジェット製品の最高傑作とも評価されている。USBメモリスティックより一回り大きい程度の小型デバイスで、そいつをテレビのHDMI端子に差し込んでおく。すると、ケーブル不要でNexus 10など、スマートフォンやタブレットからのコンテンツをテレビに送れる#。つまり、ふつうのテレビがインターネットテレビに変身する。それ自身は、インターネット接続なしで。
やっとそろそろ、この記事の本題に入れるが、Chromecastをテレビの背中に挿入すると、2~3のセットアップ作業がある。そのためにAndroidアプリを使う。セットアップ作業の一環として、そいつが今後使うネットワークを指定する。うちも含めほとんどの場合それは、自分ちが使っているWiFiルータ(WiFiアクセスポイント)だ。
ほんで、多くの場合、タブレットのキーボードは画面上に表示される仮想キーボードだ。タブレット上のChromecast設定用Androidアプリを使って、WiFiルータのアクセスパスワードをChromecastに教えてやるためには、当然、その仮想キーボードを使う。パスワードは、アルファベットと数字から成り立っている(うちのBuffalo製のルータはパスワードでなく、KEYと呼んでいる)。
話を分かりやすくするために、そのパスワードが:
a1b2c3
だったとしよう。仮想キーボードは、携帯電話~スマートフォン的なマルチキートップと、ふつうのQWERTYのどちらかを使える。携帯的キートップはあまりにもわずらわしいので後者を選んだが、それでもなお、かなりマルチキートップ的だ。
キーボードの左下に[あA1]と書かれたキーがあり、これで仮名漢字、アルファベット、数字を切り替える。しかし数字は、アルファベットキーを長時間押すことによるマルチキートップでも入力できる。
で、ここが問題:数字まじりのパスワードが正しく入力されるためには、[あA1]選択方式で数字を入力するとだめ。正しい数字が入力されない。アルファベット状態のままで、マルチキートップを利用して数字を入力すると、正しく入力される。目で見て、両者の違いは分からない。このことが分かるまでに、午前中の3時間を無駄に浪費し、ルータの側面ラベルを何度も見直すなど、苦労した。目にはまったく同じに見える、アルファベットキーからの数字と、テンキー的仮想キーボードからの数字のデータとしての違いは、そうやって作ったファイルの文字コードを調べれば分かるけど、そもそもモバイル機器(携帯、スマートフォン、タブレット)上では“ファイルの作成と保存”という、もっとも基本的なコンピュータ作業ができない。
手もとにあるNexux 10をはじめ、モバイルにあまり近づきたくないのは、それらが一般的に、文字、言葉、テキストというものを虐待しているからだ。いくら今の女子高生が“親指入力が得意”とは言っても、それでマルチキートップを駆使して長文をすらすらと作成することは不可能に近いだろう。
さて、やっと使えるようになったChromecastだが、これにも問題がある。その話はまたの機会に。
#: “スマートフォンやタブレットからのコンテンツをテレビに送れる”、と上で書いたが、Chromecastの動作の説明としては間違っている。スマートフォンやタブレットがChromecastに対してしてやることは、コンテンツのメタ情報(アドレス、タイトル、など)を教えてやることだけである。あとはChromecastがYouTubeなど各サービスのAPIを呼び出してコンテンツをテレビへストリーミングする。だからそのためのアプリケーションが今Chromecast内にあるコンテンツサービスしか、利用できない(その中には現状、日本ではだめなのもある)。タブレットなどのコンテンツアプリ(YouTubeアプリなど)から、停止、再生、音量などのコントロールはできるが、上に書いた事情から、アプリを閉じてしまってもChromecast→テレビへのストリーミングは、なにごともなかったかのように続く。
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