« Ubuntu 13.04騒動(続) | トップページ | Ubuntu 13.04騒動(続々) »

2013年7月27日 (土)

フェイルセーフ

貨幣、貨幣が持つ(とされる)価値の本質は差異である。貨幣は、差異を乗せ、伝播し、差異の体系(というか'階層')をグローバルに実現するための媒体である。

差異としての価値を実現するためのもっとも有力で普遍的な方法は、他者の搾取である。搾取したぶんのエンティティやリソースを他者に対して補ってやる、つまり搾取を帳消しにしてやれば、価値は再び他者へ転移し、搾取者が得る価値はなくなる。ゆえに、貨幣的価値、差異としての価値を得るためには、搾取が必須である。

(だから、マルクスとかマルクシスト(orマルキスト?)と呼ばれる人たちに申し上げたいが、搾取がいかん!、搾取をなくそう!、ではなくて、貨幣的価値が生み出される~得られることイコール、搾取なのである。そこに搾取があるからこそ、貨幣的価値(==差異!)が生ずる。そのことに目醒めて、マルクスやマルクシストであることから、完全に卒業していただきたい。搾取のない社会とは、貨幣(==差異==搾取)のない、完全かつ全体的にコミュニケーションに依存し、コミュニケーションが尊重される社会である。)

で、最近明らかに感じてきたことは、フェイルセーフ(failsafe, 失敗しても安全)という思想や概念やその実装が、昨日までの、いや今日までの、産業革命的技術にはなかったことだ。フェイルセーフは、明らかに、コンピュータ技術の世界で生まれた新しい概念だ。なぜかというとコンピュータ技術は産業革命的技術に比べて本来的に複雑で難しく、ドキュメンテーションの詳細な整備が要求されるとともに、それでもなおインプリシットな部分も多くて、“失敗”が日常茶飯事的に付き物だからだ。

そもそも、産業革命的技術には、ドキュメンテーションという明示的な概念もなかったと思う。エクリチュールではなくパロールが、でかい面をして支配する世界だっただろう、それは。エクリチュール==コミュニケーション可能、パロール==伝達のみ。

航空機、自動車、列車、原発などの事故を見ていると、そこには明らかにフェイルセーフの概念と実装がない。カーブで減速しなかったから脱線、大量死、ノーズギアから着地したので大破炎上、これらが運転手の過誤ですまされてしまう。人間は必ず過誤する生き物であるから、過誤した場合の対策を設計に盛り込んでおく、という思想がない。つまりここにも、非平常事態、という他者への認識と備えがない。

なぜフェイルセーフがないのか? それは…極限論としては…差異としての資本利益を奪うから、搾取の量をより少なくするからだ。なるべくひどい労働状態で働かせた方が、言うまでもなく…目先の短中期的には…得られる搾取量は大きい。

一般論としては、他者ケアの完璧を図ったら、その資本投下によって得られる利益はゼロとなり、ときにはマイナスとなる。だからそれをせずに、貨幣経済というオトコの光景/オトコの滑稽は、日々変わらず、乱にして暴にして驀進していく。しかしそろそろ、使い捨て兵士とその死、という搾取から得られる利益からは、地球上の全員が離脱しないと、やばいのである。武装おたく男の子のようなバカ総理には、早々に辞めてもらいたい。アメリカだって、今すでに、日本をそれほど真剣に武力で守る気はないのに、あんたら、おめでたすぎますよ。平和へのフェイルセーフをこそ、真剣に考えるべきである。集団自衛権なんて、粗雑な玩具よりも。

(本稿未完)

|

« Ubuntu 13.04騒動(続) | トップページ | Ubuntu 13.04騒動(続々) »

コメント

ちょうど今の読書に関連しているかな?
と思って書きます
一つは、「ゆううつ部」/ 東藤泰宏 / ポプラ社
・・・ うつ病から立ち直った事例集
もう一つは、「本当は憲法より大切な
「日米地位協定入門」」/ 前泊博盛 / 創元社
・・・ 守ってもらう、は幻想

特に後者は、知らなかったの連続で勉強に
なります。高校生でも読める、ので
若者に期待ですね

また本か、と叱られるの、かな

simomitu

投稿: 下光博之 | 2013年7月28日 (日) 08時15分

@simomitu
地位協定の本*は、本稿の末尾部分と関連ありそうですが、うつ病の本との関連は、何でしょうか?
〔*: どっちも読むひまないし、買ってもいませんが、戦後史の正体の方が、本稿末尾との関連濃いかもしれない?!。〕

ちなみに私は、連日休みなしの12時間労働(内6時間は動物飼育関連)で、本を買っても読むひまがありません。たまに買う本や雑誌も、ほとんど積ん読になってしまっています。

投稿: iwatani | 2013年7月28日 (日) 13時26分

自動車からしてが、なんであんなに危険なものが大きな顔をして道路を疾走しているのか理解できない。

経済は人命より重し。

狂っているのは社会のほう。

投稿: 南 | 2013年7月29日 (月) 08時50分

@南
車の無害化については、当時の総理大臣(==今の総理)の例によって浅っぺらい言葉を批判する記事の冒頭で書きましたが、まあ、書いただけで終わったようですね。

巨額の貨幣利益(==搾取)を追求する以上は、無害化の費用なんて誰も負担したがらない。そんなことしたら、貨幣利益が極小になってしまう。貨幣利益が保全されれば、もっと大きな費用(例: 歩道を歩いていた複数の幼稚園児が車にはねられ死亡)にはまったく不感症、という都合のよい鈍感。

さて今後、人類という粗雑動物は、どうなりますことやら。やはり、滅亡かな。

投稿: iwatani | 2013年7月29日 (月) 19時21分

「ヒューマンエラーを無くす」努力ではなく

「エラーしても大丈夫なシステム」の構築

が安全・安心のためには絶対必要。

交通事故死者の存在を前提とした社会は未だ野生状態。

投稿: 南 | 2013年7月30日 (火) 11時15分

コミュニケーションがあったら、何かまずいんだろうか。

投稿: bad | 2013年7月30日 (火) 20時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: フェイルセーフ:

« Ubuntu 13.04騒動(続) | トップページ | Ubuntu 13.04騒動(続々) »