Afiara String Quartet
西洋クラシック音楽の、ずばぬけてダントツの、山でいえばエベレストクラスの最高傑作は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番作品131嬰ハ短調だ。最晩年、耳はまったく聴こえない、孤独の中の透徹した自己沈潜。
長年、ブダペスト弦楽四重奏団のパワフルな演奏がベストだと思っていたが、今YouTubeの上では新旧いろいろなクヮルテットの演奏を聴くことができる。その中で現代の若手ベストが、
四人全員がカナダ人。これがどういう曲であらねばならないか、が、よく分かっている。このライブ演奏は、頑張りすぎて、途中、ちょっと余裕のない面もあり、最後息切れぎみになるが、最終の1分間でうまくまとめる。コミュニケーションの時代は、自己が孤独で唯一無二の自己であることを深く自覚する時代でもある。そこに、この音はぴったり似合う。
というわけで、良い音で、大きな音で、一聴をおすすめする。
2013/08/03追記:
現代のカナダで最高峰の弦楽四重奏団といえば、New Orford String Quartetです。もしかして、今の世界最高峰かもしれない。なにしろすごい。でもAfiaraには、down to earthな、人間の心、人間の歌、といったものを強く感じる。
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