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2013年6月10日 (月)

そもそも今のインターネット上にプライバシーはない

アメリカ合衆国国家安全保障局(NSA)によるインターネット大手主要サイトに対する包括的のぞき見事件を暴露した内部通報者の記事とインタビューを読んだ。

29歳のご当人は、政府が秘かにこのようなことをする国には住みたくない、と言っているが。今回の暴露事件に懲りて今後NSAやFBIはお行儀良くしてるか、というと、それはあり得ないだろう。むしろ、新たに法律を作り、その法律の都合のいい解釈に基づいてこれまでよりもおおっぴらにやるかもしれない。

問題の根幹は、インターネットというグローバルにオープンなネットワークの各種利用方法(“サービス")が、ユーザ数何千万何億という巨大サーバから提供されていることにある。政府機関は信用できないが、それらのサーバに毎日のように管理アクセスしているFacebookやGoogleの連中は完全に信用できるのか? この問いにイエスと言える根拠は、全宇宙の隅々を探してもない。

Facebookは、昔取ったアカウントがあるだけで私にとっては完全に休眠(無活動)サイトだったが、最近Facebookからお知らせがあり、アメリカのオレゴン州あたりから、私のアカウントへの不正アクセスがあったらしい。私は急遽、パスワードを変更してその直後に、Facebookを完全脱会した。休眠アカウントではなく存在しないアカウントになったはずだが、米国政府だけでなく、その巨大サーバと巨大データセンターに対して、誰が何をしているか、ユーザにはまったく分からない。私のFacebook完全脱会も、私が“完全に脱会した”と思いこんでいるだけかもしれない。物理的状況と事実は、確かめようがない。

ところで私はスーパーなどで売ってる生魚(お刺身やお寿司)と、外食のハンバーグは、原則、食べない主義だ。口に入るまでの生産〜加工履歴が、消費者にとって完全に不可視だからだ。マックのバーガーは殺処分された犬猫の肉だ、という噂もあった。これは嘘としても、なにしろ履歴が全然分からない。子どものころは海辺の町に住んでいたから、履歴の分からない魚や貝などを食べることは、あり得なかった。東京で昔、宅配寿司屋の職人が(目の前に客はいないから)、鼻水をすすったり、咳をしたりしながら寿司を握っているのをたまたま見たときは、ショックだった。もちろん、宅配の寿司も、原則、食べない(というか頼まない)。

(衛生の問題ではないが、季節外れのハウス栽培の野菜も(まずくて高くて栄養価低い)原則、食べない主義だ。)

というわけで、Facebook等々の巨大サーバの上では何が行われているか、今後行われるか、それがエンドユーザにとって全然未知だ。このブログ上でこれまで、何度も書いてきたと思うが、正しいインターネットの利用形態は、巨大サーバはいっさい不要でネットワークそのものに多様な形の通信能力がある、という形だ。そうすれば、包括的なスパイ活動など不可能なネットワーキングトポロジを作れる。

脱巨大サーバ化をいちばん簡単な言葉で言い換えれば、インターネット2.0において必要なのは「インターネットの民主化」です。しかし、政治の民主化すら、やっとごく最近始まったばかりで、全体的に未完成未成熟だし、インターネットのそれも、まだまだ先の長い課題でしょう。

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コメント

ああ、そうだよな。
と思って、楽になりました。
そう、今の状態ではプライバシーなんて
無い。
と思っておいた方が余計な心配とかで
エネルギー使わなくて済みます。
プライバシーが欲しかったなら、
アクティブ・ノードになればいいんです
がんばろうっと

Simomitu

投稿: 下光博之 | 2013年6月10日 (月) 22時57分

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