eブック(電子書籍)はくだらない、という話はずいぶん前に書いたと思うけど、この2月下旬から3月上旬にかけては、AmazonのKindleデバイスと、タブレット上のKindleアプリの両方で、くだらなさと悪戦苦闘する機会があった。ま、結果的にはハンズオンな経験知を獲得する機会にはなったけど。
ここで書こうとする結論1は、一般的な著作というか表現の手段として、脱エディタ、脱ワープロ、ついでに脱”ホームページビルダー”して、HTML5とCSS3と、+少々のJavaScriptから成る『オーサリングツール』を普及させよ、ということ。私が暇人なら、とっくに開発に取り組んでいるだろう。ツールそれ自体が、Web上のサービス、いわゆるWebアプリケーションであればよい。
プレゼンテーションの世界も、長年支配的だったMicrosoftのPowerPointに代わって、ノンリニアでノンシーケンシャルなプレゼン構造を作れるPreziなんかが人気者になりつつある。プレゼンツールも、言うまでもなく、狭義のオーサリングツールだ。
eブックは、あくまでも一時的過渡期的なものだ。しかも、相当ぶざまな。
そこで結論の2は、いわゆる本は、eブック+eブックリーダーで見る・読むより、ふつうの従来的な本の方が内容へのアクセス性がずっと優れている。たとえば、本物の本なら、パラパラ読みができる。ノンシーケンシャルな読み方も(付箋などつけながら)気軽にある程度できる。だからこそ、コンピュータの上に本を載せるのは馬鹿げている。
コンピュータ+ネットワーキングの本質は、(場所を限定されない)ノンリニアリティ、ノンシーケンシャリティ、そして何よりも重要なこととして、対話性にある。本をコンピュータに乗せたeブックは、コンピュータの手足を縛り上げてそこらにころがした、甚だしい制約のかたまりでしかない。
あのころは、eブックというおかしなもんが、一時的にあったよな、という思い出話と化すであろう。まさしく真にコンピュータ的ネットワーク的オーサリングツールが一般人の日常化し、それで作ったコンテンツがネットワーク上にパブリッシュされていけば。
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