この期に及んで他者不在
土地争いそのものにはほとんど関心がないが、乗りかかった船の上であと一言:
・国有化は石原騒動への国としての収拾策のつもりである。たぶん。
・都政の重要課題とも都民の生活とも無関係な石原騒動を、強力に諫める人がいなかった不思議。なんで一連の愚言愚行が放置放任されたのか。
・国有化を決めるにあたり、いちばんかんじんの他者である中国が、まったく意識されていない不思議。
(単に村内(むらうち)の問題…石原vs.政府…として収拾しようとしている。)
(石原氏はたぶん今ごろ、自分の策の成功を内心で祝しているのだろう。)
・何度も言っているが、他者忘却には悲惨なしっぺ返しが必ずやってくる。
(当分の間、日本人は中国でまともにビジネスできない状態になってきた。観光旅行も。)
・「他者不在」は、今ないしこれまでの人類が抱える深刻な病理だ。
(サンフランシスコ平和条約や先占を日本領の根拠とする論理*も、他者不在の”勝手な思いこみ”にすぎない。はずかしい、日本のオジサンたち。)
*1:中国は当条約の調印・批准国ではない。またそれ以前と今とで、"勝手に日本領状態”==グローバルな合法性がない状態、はまったく同じである。
*2: 先占は一方の当事者の主張で確定しうる事項ではない。
結局のところ、明治中期の「勝手に日本領化」と完全に同タイプの他者無視、他者不在が、グローバル化が全世界的に云々される今日においても、今回の「勝手に国有化」において、貫かれているのである。なんちゅう無進歩! なんちゅう歴史からの無学習! 一部の日本人or日本指導者層の、脳足りん性は、ほんま、日本の未来にとって困りまっせ。
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