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2012年6月11日 (月)

中華パッドから考えるagile manufacturing

最近はどうやら、中国製タブレットは、最初のころのとにかくひでえ状態を完全に脱したらしい。日本人ユーザも増え、日本語によるコミュニティ/コミュニケーションもにぎわっている。7インチで8000円から10000円前後までで、とにかく安い。私もこういうもので遊ぶ十分なヒマがあれば、とっくに買ってるかもしれない。メーカーはいずれも、名もなき町工場的な企業のようだ。

どうも今の日本社会は、名もなき個人や名もなき町工場的会社などが、消費者家電〜消費者電子製品市場に参入しづらいようだ。たとえば私が住んでいる田舎は、役場、おっと市役所からの徘徊老人行方不明捜索願放送がやたら多いところなので、安価でしかも老人の身から外れることのないGPS装置を考えたが、そんなものの試作すら、日本ではそう簡単にはできない。私がヒマなら、とっくに中国企業をあたっているところだ。

一方、日本の有名な電子系製造企業はこのところ、何千億赤字が出たとか、何千人レイオフするとか、とにかく元気がない。日本企業は、重厚長大、身軽に気軽に動くことができない。中国の名もなき町工場のように、ちょちょっと8000円のタブレットを作ってきわめて迅速に市場に出してみる、なんてことは逆立ちしてもできない。日本企業の多くは、そもそも抱えている固定資産も社員数も、そして組織機構も、無駄に重すぎる。無駄な社員や無駄な管理職たちの高給や、彼らが‘仕事をしているふり’のためにも、不必要機能盛りだくさんの高価な製品をとても遅くとても時間をかけて出す、そして売れない、というアホ的ワンパターンの繰り返ししか、今の日本の大企業はできない。のたうつ、瀕死の、巨大亀だ。

しかも、基本リソースを、そんな大企業が全部抱え込んでしまっている。リソースの大衆化民主化がない。

つまり日本の製造業には、グローバル時代に必要なアジリティがない。発想と行動の敏速さ。身軽さ。安価な大衆製品をパッと作ってパッと出す能力。電子製品どころか、自動車もいずれアジリティに富んだ他国のメーカー…アフリカとか…に負けてしまいまっせ。まず、とりあえず、中国には負けるだろうな。あの中華パッドの気軽さに勝てる日本企業は、少なくとも今はない。

人のインターネットから物のインターネットに移行していけば、ベースが大企業ではなく、個人や小企業にベースを移行した製造業が栄えなければならない。気軽な町工場や個人ブティック(ガレージファクトリー)が増えなければならない。そのためには、リソースのすそ野も広がらないとだめだ。

今、徘徊老人用GPS装置のほかに考えている物のインターネットは、パソコンなどにつなぐ必要なく、写真を好きなアドレスにFTP/Webアップロードできる安価なデジカメだ。この要件を満たす大衆的デジカメは、まだ存在しないと思う。現状でやるとすれば、またまた、中国の優秀な零細企業をあたるしかない。それからもう一つ作りたいのは、犬猫監視用の、ストリーミング機能のあるビデオカメラ(音声機能付き)だ。

物のインターネットは、アイデアや社会・生活の中のニーズが無限にある。個人や、多数の零細企業の出番だ。このままでは、日本の製造業はさらに取り残される。

重厚長大な腰の重すぎる大企業はみなつぶれてしまえ!
日本を、agile manufacturingの国に!


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コメント

うん、これはちょっと面白みのある話ですね。ほぼ完全に理解できるまで読むつもりです。

投稿: alarky | 2012年6月11日 (月) 20時05分

一流大企業は自社のプライドのために仕事をしている。

そう遠くない将来つぶれる。

投稿: 南 | 2012年6月12日 (火) 09時04分

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