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2012年1月20日 (金)

ペット業者は売れ残りをどうしているのか?

以下は、私が数年前書いて、陽の目を見なかった原稿の一部だ。問題は、最近はここに書かれているような“出会い"が、なくなったことだ。それはもちろん、状況が改善されたからではない。その逆だ。

<引用>
2 超ガリガリ犬

ペット業者たちは、売れ残りの商品を、どうやって「処分」しているのだろう?。

台湾では、声帯を切り取られて捨てられる犬たち(元“商品”)が、一部の地域社会や愛護家たちの間で問題になっている。まあ、“犬を捨てても、吠えなきゃ近所迷惑にならない”という根性なんだろうね。

日本の業者の中には、“飢え死に作戦”を実行する連中がいるね。つまり、餓死ですよ、餓死。いや、“餓殺(がさつ)”という言葉を新たに発明すべきかな?。

そういう作戦の被害者、すなわち、超ガリガリに痩せた犬が、私たちの住む住宅地に迷い込んできたことがある。なまはんかな痩せ方じゃーないよ。もう、骨と皮だけ、究極の痩せ、限界ぎりぎりの痩せだね。異様な痩せかただよ。ふつうに野良生活をしてた犬なら、あそこまでは痩せない。言い遅れたけど、犬種は、明るいキツネ色の、立派な本物の、ラブラドールレトリバーですよ。

死ぬはずの山の中で死にきれずに、ふらふらと住宅地までたどり着いたんだろうね。

私たちが保護して、食べ物をあげたら、むさぼるように食った。そして、すぐに、食べたものをすべて吐いた。動物病院に預けて、栄養剤の点滴等をしてもらったが、三日後に死んだ。その死に顔は、とても安らかだった。

その犬が死んでからしばらくたった、西暦2002年の後半、日本のあらゆるテレビ局が、連日のように、北朝鮮に関する報道を大量に流していました。その中に、私は見ました:「極端な栄養失調と慢性的な飢えにやられている人に、いきなりふつうの食事を食べさせると、体に対する負担が大きすぎて、かえって死ぬことがある」。それは、いわゆる脱北者たちの世話をしている中国の人たちの話でした。

そうか!。体力がつくまでは、消化の良い子犬用のミルクだけを少量与えていたら、あのラブラドールは死ななかったかもしれない。私たちの犬飼い・猫飼いの毎日には、このように、ほとんど永遠に、さまざまな『無知』がつきまといます。

今の日本の法律では、ペット業者でもふつうの人間でも、犬や猫を捨てたり殺したり虐待すれば犯罪になります。ですから、餓殺もリッパに犯罪です。しかし、ペット業界や動物取扱業者に対するきちんとした法律は、今のところ日本にはまったくありません。業者にとっては、ころころと小さくて、「可愛い子犬」や「可愛い子猫」という感じのの月齢(生後2〜3か月まで)を過ぎた商品たちは、売れない不良在庫ですから、ついつい、金のかからない安易な処分をしたくなるよね。

現在の動物愛護法は、今後できるだけ早めに、動物業者に関する良質な厳しい法律で補強する必要がある、と私は痛切に思います。現状は、事実上、彼らのやりたいほうだいと言えるでしょう。日本のペット産業というか動物産業は、ほとんど無法地帯です。

また、日本の消費者たちも、小さくてコロコロとした、見るからに可愛い子犬の時期をすぎた成犬や、成犬に近い月齢の犬たちでも、前向きの気持ちで飼う、という根性を身につけるべきですよ。

(後略)

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         【写真:餓殺されたラブラドール(推定1歳)】
<引用終わり>

ペットという概念は、「愛」ではなく「欲」の概念だから、宇宙開発バカたちがspace debrisを平気でそこらに捨てるのと同じで、大きくなった==かわいくない犬猫は、捨てても殺しても平気なのだ。しかし、その時点で、彼らの人生は不可逆的に罰せられている。だから彼らはよいが、問題は、全頭救うことは不可能な、捨てられる、あるいは殺される、罪なき動物たちだ。日本もまだまだ、ひでぇ国だわ。


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コメント

商売が成り立つという異常事態。
これが何千年も続いている。
何万年続こうが異常は異常。

商売は嘘ですよ。
50円で買ってきた物を100円で売るんだから。

買うな、買うな、買うな。

投稿: 南 | 2012年1月20日 (金) 09時19分

 殺処分される犬猫の問題を非難の文脈で語るとき、いつも飼いきれなくて捨てる側だけが話題になるのが不思議でした。
 それらを供給している側は?
 殺している数なら、一度は面倒見ようと身の丈なりに引き受けてしくじった馬鹿の千万万倍殺している。
 こいつらがどうして問題にならないのか。

 共に生きようとする生命を、売り買いしちゃいけません。

 この倫理を見たくないから。
 みなみさんに賛同。

投稿: 市川智 | 2012年1月20日 (金) 22時18分

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