« 環境は交換財か | トップページ | トレードは社会の基盤たり得ない »

2011年11月13日 (日)

人類の墓穴?「トレード」

今のようにトレードが絶対普遍視されてしまって、多くの人を苦しめているのは、トレードの相対視を支える共同体が空無になっているからだが、でもそれにもかかわらず、トレード自体はあくまでも相対的なものである。大々的にうまく行ってることもあれば、しょぼんと不活なときもある。どっちも、トレードの状態としては正常態である。

錯誤であるところのトレード絶対視の中で、多くの人のトレード財といえば自己の労働力である。しかしこれも、トレード財であるからには、大量によく売れているときもあれば、細々としか売れてないときもある。どっちの状態も、トレードというものの正常態である。

トレードの相対性が、人類の常識にならないとヤバイのである。何度も何度も書いてきたが、政府に代表されるような社会のメタ機関は、トレードが細々としているときの、売れてない労働力に対し、自立促進とかいって売れることを強制してはならない。個人の努力で、現状の市場の情勢をなんとかできるものではない。売れないときは売れないのだ。売れてることも常態、またそれと同格に、売れてないことも常態である。

労働力が売れてないことを、うしろめたい、恥ずかしい、人間としての資格がない、なさけない、等々とネガティブに思う必要は、こんりんざいない。上に書いたように、売れてないことも立派に常態である。

1930年代〜1950年代は、機械がブルーカラー労働を置換し、人間の主な労働を営業や事務などのホワイトカラー労働に移行させた、という。そして今では、多様なコンピュータ化が、ホワイトカラー労働を置換して、失業者を増やしている。そういう現況を論ずるこの記事この記事などはしかし、相変わらずトレード絶対主義にとらわれていてしかも、次の時代の労働者人間の姿は描いていない。

今の状況を15年以上前に予言していたこの本(原題: The End of Work, 労働の終わり)は、市場に要らないといわれた労働力は、地域社会(等)のニーズを支えるボランティア活動家になるべし、と言っている。そしてトレード社会が続く間は、必要悪的な擬似トレードとして彼らを住民が直接あるいは間接(==税など)に金銭的に支える。

むむむむ。動物愛護活動なんかは、アメリカなどでは典型的に、地域の理解がデフォルトで得られている、典型的な地域ボランティア活動なんだけどなぁ。20年近くやってんのに、いまだに、地域の理解協力体制なんてゼロでっせ、私の住む日本の某イナカ県では。警察や市役所や保健所に匿名でクレームしたやつは、何人かいるが。

まあなにしろ、トレードが人類の墓穴とならぬよう、トレード観を抜本的に改める(==絶対視を相対視に改める)好機に、歴史は今、さしかかっているようである。メタ機関から率先して、それをやっていただきたい。


|

« 環境は交換財か | トップページ | トレードは社会の基盤たり得ない »

コメント

 このリンクの文章を、訳してみました。
 まさか、経済の勉強をするとは思いませんでした。しかし、「かじった」というよりは、「舐めた」という程度ですが。
 また、自信のない部分も多々あります。
 お忙しい、岩谷さんにお願いは出来ませんが、チェックしていただけたらと、少し期待しています。
 個人的に、続きの内容も知りたくなったので、また休みの日に続きをやりたいと思っています。


What If Middle-Class Jobs Disappear?
 What If X{S[Middle-Class Jobs] V[Disappear]}? ・・・ what if X? - Xしたらどうなるの?
  【ホワイトカラーの仕事がなくなったらどうなるの?】

By Arnold Kling 2011年11月03日 03時15分
 S[This] V[is written] (by Arnold Kling)
  アーノルド・クリング 2011/11/3 03:15

Filed under: Economic Policy, Culture, Lifestyle, Science & Technology
 S[This] V[is flied] (under )
  このファイルの所在地 : 経済政策、文化、生活様式(ライフスタイル)、科学&テクノロジー

<Structural change is an important factor in the current rate of high unemployment.
 S[Structural change] V[is] C[an important factor] (in the current rate of high unemployment).
  <社会構造の変化は、現在の高い失業率の大きな要因だ。

The economy is in a state of transition, in which the middle-class jobs that emerged after World War II have begun to decline.>
 S[The economy] V[is] C[in a state of transition)C[, in {which - transition} s[the middle-class jobs that emerged after World War II] v[have begun] o[to decline]).
  今の経済状態は過渡期である。第2次大戦後に現れたホワイトカラーの仕事の需要が、減少しているのだ。>

The most recent recession in the United States began in December of 2007 and ended in June of 2009, according to the official arbiter of recession dating, the National Bureau of Economic Research.
 S[The most recent recession in the United States] V[began] (in December of 2007) and S[it] V[ended] (in June of 2009), (according to the official {arbiter - 決定者,権威者} of recession dating{, - 同格} {the National Bureau of Economic Research - 全米経済研究所}).
  ● 一番最近のアメリカでの不景気は、2007年10月から2009年6月までだったと、経済後退期の日付の公式な権威である 全米経済研究所 は、言っている。

However, two years after the official end of the recession, few Americans would say that economic troubles are behind us.
 (However), (two years after the official end of the recession), S[few Americans] V[{would say - 言わないだろう[wouldは,口調の和らげや不確実を表す]}] O[that economic troubles are {behind us - 〈人〉にとって過ぎて[終わって]}]
  しかし、経済後退期の正式な終結宣言から2年たつが、ほとんどのアメリカ人は、悪い経済状態は過ぎ去ったとは言わないだろう。

The unemployment rate, in particular, remains above 9 percent.
 S[The unemployment rate], (in particular), V[remains] C[above 9 percent].
  特に、失業率は、依然として9%以上だ。


Some labor market indicators, such as the proportion of long-term unemployed, are worse now than for any postwar recession.
 S[Some labor market {indicator - 示すもの}s, such as the {proportion - 割合} of {long-term unemployed - long unemployed termの変形}], V[are] C[worse] (now) ({than - 前置詞または接続詞なので、後ろには、名詞句または文が来るはず} for any {postwar - 戦後の} recession).
  いくつかの労働市場を示すもの、例えば、長期にわたる非雇用の割合などは、戦後のどんな景気後退期より、今の方が悪いのだ。

There are two widely circulated {narrative - 物語}s to explain what is going on.
 (There) V[are] S[two widely circulated narratives to explain what is going on].
  ● 何が起こっているのかを説明する2つの有力な話があります。

The Keynesian narrative is that there has been a major drop in aggregate demand.
 S[The Keynesian narrative] V[is] C[that there has been a major drop in {aggregate demand - 総需要}].
  ケインズ経済学によれば、総需要の大きな落ち込みだと言うわけです。
   *総需要 ・・・ この概念は、はっきし言ってムズい! 多分、国全体として''実際に<潜在的ではなく>''消費できるお金?と言うこと? しかし、この言葉の意味のレベルは、もっと根深そうです!


According to this narrative, the slump can be largely cured by using monetary and fiscal stimulus.
 (According to this narrative), S[the slump] V[can be (largely) cured] (by using {monetary - monetary policy - 金融政策} and {fiscal - fiscal policy - 財政政策} stimulus).
  このケインズ経済に基づいた話では、国の財政および金融政策によって大きく改善されるという。
   *例えば、公共事業などのことのようだ。

The main anti-Keynesian narrative is that businesses are suffering from uncertainty and over-regulation.
 S[The main anti-Keynesian narrative] V[is] C[that businesses are suffering from uncertainty and over-regulation].
  ● ケインズ経済反対派は、主にこう主張している。ビジネスは、不確実で過剰な規制によって、被害をこうむっていると。
   *ケインズ以前の考え方では、重要と供給は、長い目で見れば、自然と釣り合いが取れると考えられていたようだ。

According to this narrative, the slump can be cured by having the government commit to and follow a more hands-off approach.
 (According to this narrative), S[the slump] V[can be cured] (by v[having] o[the government] c[{v1 - commit to} and {v2 - follow} a more hands-off approach]).
  こちら側の主張では、政府が経済に介入しないように約束させ、それに従わせることが、不況からの脱出方法だと言う。

I want to suggest a third interpretation.
 S[I] V[want to suggest] O[a third interpretation].
  ● 私は、3つ目の解釈を提案したい。

Without ruling out a role for aggregate demand or for the regulatory environment, I wish to suggest that structural change is an important factor in the current rate of high unemployment.
 (Without ruling out a {role - 役,役割} for aggregate demand or for the regulatory environment), S[I] V[wish to suggest] O[that structural change is an important factor in the current rate of high unemployment].
  総需要に対する(自然に釣り合いが取れる)仕組みや、(政策によって)調整された社会環境による効果を、考えないで/無視して、社会構造の変化が、この高失業率を生み出す大きな要因であると、考察してみたい。

The economy is in a state of transition, in which the middle-class jobs that emerged after World War II have begun to decline.
 S[The economy] V[is] C[in a state of transition)C[, in {which - transition} s[the middle-class jobs that emerged after World War II] v[have begun] o[to decline]).
  今の経済の仕組みは過渡期である。第2次大戦後に現れたホワイトカラーの仕事の需要が、減少しているのだ。

As Erik Brynjolfsson and Andrew McAfee put it in a recent e-book 'Race Against the Machine':
 (As {Erik Brynjolfsson - 多分、カタカナ読みは、エリック・ブリンジョルフセン} and {Andrew McAfee - アンドリュー・マッカーフィか?} put it in a recent e-book 'Race Against the Machine':)
  ● エリック・ブリンジョルフセン と アンドリュー・マッカーフィ による最近の電子ブック 「マシーンと競争だ!」 のなかで、次のようなコメントをしています。
   *構文は 「X as follows: ・・・ Xは次のようなものです」 の変化形?

"The root of our problems is not that we're in a Great Recession, or a Great Stagnation, but rather that we are in the early throes of a Great Restructuring."
 S[The root of our problems] V[is] (not) C[that we're in a Great Recession, or a Great Stagnation), (but rather) C[that we are in the early throes of a Great Restructuring]."
  「根本的な問題は、経済の後退や沈滞の規模が大きいということではなく、むしろ大規模なリストラの初期状態に、私たちはいるということです。」

In fact, I believe that the Great Depression of the 1930s can also be interpreted in part as an economic transition.
 (In fact), S[I] V[believe] O[that the Great Depression of the 1930s can also be interpreted in part as an economic transition].
  ● 事実、1930年代の大恐慌も、経済の仕組みの過渡期だったと理解できます。

The impact of the internal combustion engine and the small electric motor on farming and manufacturing reduced the value of uneducated laborers.
 The impact of the {internal combustion engine - 内燃機関:インターナル・コンバスチョン・エンジン} and the small {electric motor - 一般に言うモーターのこと} on {farming - 農業,農場経営} and manufacturing reduced the value of uneducated laborers.
  内燃機関や小さなモーターの登場は、農場経営や製造業において、無教育な労働者の価値を減少させたのだ。

Instead, by the 1950s, a middle class of largely clerical workers was the most significant part of the labor force.
 (Instead), (by the 1950s), S[a middle class of (largely) clerical workers] V[was] C[the most significant part of the labor force].
  そして、1950年代まで、事務職の中流階級が、労働力のもっとも大きく重要な部分に取って代わったのでした。
  *なんであの位置に、副詞の largely があるのだ???


★ まとめ
【ホワイトカラーの仕事がなくなったらどうなるの?】
 by アーノルド・クリング 2011年11月03日 03時15分

〔このファイルの所在地〕
経済政策、文化、生活様式(ライフスタイル)、科学&テクノロジー

≪社会構造の変化は、現在の高い失業率の大きな要因だ。今の経済状態は過渡期である。第2次大戦後に現れたホワイトカラーの仕事の需要が、減少しています≫

● 一番最近のアメリカでの不景気は、2007年10月から2009年6月までだったと、経済後退期の日付の公式な権威である 全米経済研究所 は、言っている。しかし、経済後退期の正式な終結宣言から2年たつが、ほとんどのアメリカ人は、悪い経済状態は過ぎ去ったとは言わないだろう。特に、失業率は、依然として9%以上だ。いくつかの労働市場を示すもの、例えば、長期にわたる非雇用の割合などは、戦後のどんな景気後退期より、今の方が悪いのです。

● 何が起こっているのかを説明する2つの有力な話があります。ケインズ経済学によれば、総需要の大きな落ち込みだと言うわけです。このケインズ経済に基づいた話では、国の財政および金融政策によって大きく改善されると言います。

● ケインズ経済反対派は、主にこう主張しています。ビジネスは、不確実で過剰な規制によって、被害をこうむっていると。こちら側の主張では、政府が経済に介入しないように約束させ、それに従わせることが、不況からの脱出方法だと言う。

● 私は、3つ目の解釈を提案したい。総需要に対する(自然に釣り合いが取れる)仕組みや、(政策によって)調整された社会環境による効果を、考えないで/無視して、社会構造の変化が、この高失業率を生み出す大きな要因であると、考察してみたい。今の経済の仕組みは過渡期です。第2次大戦後に現れたホワイトカラーの仕事の需要が、減少しているのです。

● エリック・ブリンジョルフセン と アンドリュー・マッカーフィ による最近の電子ブック 「マシーンと競争だ!」 のなかで、次のようなコメントをしています。
   「根本的な問題は、経済の後退や沈滞の規模が大きいということではなく、
   むしろ大規模なリストラの初期状態に、私たちはいるということです。」

● 事実、1930年代の大恐慌も、経済の仕組みの過渡期だったと理解できます。
内燃機関や小さなモーターの登場は、農場経営や製造業において、無教育な労働者の価値を減少させました。そして1950年代まで、事務職の中流階級が、労働力のもっとも大きく重要な部分に取って代わりました。

投稿: alarky | 2011年11月14日 (月) 00時41分

何かをするために生きているのではなく

生きるために何かをするのです。

必要がなければ当然なにもしなくてもOK。

順番が逆になっているのが

人類の狂気のたね。

投稿: 南 | 2011年11月14日 (月) 09時52分

本当にそうですね
トレード脅迫から抜け出せたら
考えを切り替えられたら
楽になって、本来のその人のポテンシャルを発揮できる人
たくさんいらしゃるのでは、と思います。
その方向でいこうっと

s imomitu

投稿: 下光博之 | 2011年11月19日 (土) 06時06分

貨幣社会ではトレードが、人の生き死にを決定する。
トレードという常に不安定なものが人生を決定する。
トレードという安定しないものに、人生を支えられている不幸。
だから人は交換に執着する。交換しないと気がすまない。
無理やりにでも等価交換に参加していく。
それしかないと思うから。

トレードと別のものが、人生を支えているとしたら?
根本的な生き死にと別の場所にトレードがあるとしたら、
人はどんなに開かれていくだろうか。

なぜそれができない?
人間てやはりリーダーに縛られないと
統制が取れない 調和ができない生物なのか
否! そんなみじめな悲惨な生きものでは
ありたくない。

投稿: s、n | 2015年10月31日 (土) 07時51分

訂正
>トレードという安定しないものに、生活を支えられている不幸。

投稿: s、n | 2015年11月 2日 (月) 03時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/140652/53233681

この記事へのトラックバック一覧です: 人類の墓穴?「トレード」:

« 環境は交換財か | トップページ | トレードは社会の基盤たり得ない »