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2011年10月23日 (日)

Jobs解毒(補遺1)

Jobsの伝記の内容に関する間接情報によると、Android携帯にはiPhoneの真似をしている部分があるとかで、彼は「私は、Androidを破壊するつもりだ。そのためなら核戦争を行う事も厭わないだろう」と言ったそうだ。

GNUやLinuxなどを代表選手とする、オープンソース/フリーソフトウェアの文化の中で育ってきた人間から見ると、「Jobsって根性悪い人間やなぁ」と思えてしまう。そもそもソフトウェアのパテントは、文明と文化の健全な進展にとって、大障害だ。

差し障りのありそうな方には、あらかじめ言葉の失礼をお詫びするが、「根性の悪い人間はがんで若死にしやすい」という定説が、医師コミュニティに暗黙裡にあるのではないかな。根性の悪さは、人間の体(からだ)にストレスを与える、無形の発がん物質、とも言えるのでは?

コンピュータとネットワークと情報とコミュニケーションの世界でこそ、人間はもっとおおらかに、オープンに生きていきたいね。

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2011年10月15日 (土)

日本人の心にとって「他者」はいない

この重要なエッセイを書いたのは、もう4年も前だが、いまだに言語表現に関するこの新常識はまったく普及していない。

Aさんが言った・書いた"xyz"という言表を、そのAさんはpという意味ニュアンスを込めて言った・書いたのだが、Bさんはqという意味ニュアンスで受け取った。そしてBさんは、そのqに基づいてその言表や発話者Aさんを非難したりする。このBさんみたいな人が、とても多い。編集という、言葉と関わる仕事を長年やってる人たちの中にも、平気でBさんはいる。もちろん、ふつうの人の中にも多い。

要するに日本人、あるいは世界の人の多くは、他人も全員が自分の村の村人である、したがって言語の意味体系は唯一不二だ、と頭から信じている。

おとろしいことだ。他者の存在を認めないこんな心性では、日本社会の平和も、世界の平和も、永遠に訪れないだろう。旧共同体はとっくに崩壊しているにもかかわらず、人の(何十万年の歴史を持つ)旧共同体性の尾てい骨の暗黙の力は、いまだに、人を暗黙裡に完全に支配しているのだ。

おとろしい。だが、これからも、がむばって、大声でやつらを叱っていかなければならない。

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心の中で、他者が、しっかり、ちゃんと、明確に「他者」として存在せず、なんでも自分の村内(むらうち)に勝手に引きずり込んで恣意的に解釈してしまうという病弊は、人間関係以外に、たとえば『自然』にも適用された場合、たいていの場合、たいへんなしっぺ返しを喰らうのである。津波なんて、せいぜい5メートルぐらいしか来ないよ、などと、何の根拠もなく…。

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2011年10月14日 (金)

メディアの誤解の根源

メディアの本質への理解、したがってその用法が、今の形では完全に間違っていることは、何度も指摘している

今日、新聞のテレビ番組表を見ていてつくづく分かったのだが、今のメディア人は、意識のうえでは完全に、村人(むらびと、旧共同体の成員)である。そしてテレビとは村祭りの余興のステージであり、番組はその演し物だ。今のメディア人は、完全にそう考えている。だから、メディアのあるべき姿を完全に誤解する。

メディウムとは、番組を視聴者に媒介するものではなく、人と人を多様多方向的に結びつけるための媒介物でなければならない。以前の連載も含め、何度も何度も言ってきたことなので、えーかげんうんざりしているが、しかし何か新しい動きが芽生えるまでは、これからもしつこく繰り返す必要がある。最新の記事は、たぶんこれだ(0520のエントリの最後のパラグラフを見ていただきたい)。

旧共同体はとっくに形骸化し、それに伴うさまざまな危機が社会に生じているというのに、それに気づかぬ「祭り興業の世話人」でしかない今のメディア人は、全員クビ!!! あまりにも、馬鹿すぎるよ、あんたたち。それで、視聴料を寄越せというNHKは、馬鹿の二乗三乗だわ。

江戸城の無血開城にも似た、メディアの無血開放は、いつ来るかな? それとも、無血は無理か?

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2011年10月 9日 (日)

Jobs解毒

---彼の死は悼むが、彼のような人間がいなくなったことは嬉しい。…Richard Stallman

<quote>
Steve Jobs, the pioneer of the computer as a jail made cool, designed to sever fools from their freedom, has died.

As Chicago Mayor Harold Washington said of the corrupt former Mayor Daley, "I'm not glad he's dead, but I'm glad he's gone." Nobody deserves to have to die - not Jobs, not Mr. Bill, not even people guilty of bigger evils than theirs. But we all deserve the end of Jobs' malign influence on people's computing.

Unfortunately, that influence continues despite his absence. We can only hope his successors, as they attempt to carry on his legacy, will be less effective.
</quote>

参考URL

人類にとってコンピュータの重要な、そして歴史上まったく新しい、文化的本質は、たった一つ、「プログラミング」である。
言い換えると、論理の構造を対象化することである。
そしてAppleの製品は、エンドユーザのレベルで、その本質とまったく無関係だ。
単なる、古典的従来的消費者製品であるにすぎない。
…マーケティングとして、非常に優秀な。
だからこそ売れたのである。
だが、論理構造の対象化こそは、人類がコミュニケーション有能に向けて進化するための、必須の契機のひとつだ(現人類にとって、面倒で難しくてやりたくないことの一つだが…[参考記事])。

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2011年10月 6日 (木)

未完成技術

現状現段階ではまだ、現実の社会内に実装してはならない未完成技術は、原子力技術だけではない。

自動車が、まさにそうである

毎年々々、すげぇ量の犠牲者を生成しながら、なぜそのことに気づかぬふりをしているかというと、自己疎外・他己疎外が、彼らの、平気な日常感覚だからである。野蛮人。コミュニケーション不能の下等動物。

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コミュニケーション不能と知学の一般形姿(補足1)

ノーベル物理学賞:

宇宙がそのように存在するのではない。それは、コミュニケーション不能により映じている、自己疎外・自己忘却・他者疎外・他者搾取の、ダイナミズムの、"像"であるにすぎない。それは宇宙ではない。それは、あなたのbadbadな心が生み出している/映じている像にすぎない。

およそ、自己と他己を疎外した宇宙が、ほんとの宇宙であるはずがない。それは、恣意的な(きわめて偏跛で貧相な)像にすぎない。

対象知は、人間の態度・姿勢(の像)であり、対象そのものをdescribeしてはいない。

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