« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »

2010年1月24日 (日)

続・自然の自然な一部としての死

(この記事の前編はこれです。)

先年、80ウン歳で亡くなった親族の葬式に出たことがある。葬式というものは大の大の大のニガテだが、その人の故郷が富士山麓の町なので、行く途上、高速を走る車の窓から至近距離の巨大な富士山を見ることができた。下の方の、横に広がる緑のすそ野も分厚くでっかい、その上の富士山本体もでっかい。視界全体をどぅわっと富士が占めている。

で、その人の死は、悲しいことでもつらいことでも惨めなことでもかわいそうなことでもなくて、この目の前の富士の光景のように、有無を言わせず、どかーんと、美しく堂々たる自然そのものだ、とそのときわたくしは強く明瞭に感じた。彼は生者としての役割を終え、大自然へと帰ったのだ。それはそこでは、この圧倒的な富士山なのだ。

地震も、自然の、ごく自然な一部だ。地球も、ときに身震いぐらいはする。そのとき、いくつかの生物を巻き添えにすることもある。そんな現象も、自然の自然な一部だ。ハイチの自然も、その海もその山も、きっと壮麗で美しいだろう。死は自然の自然で当然な一部として当然あるものだから、それを肯定視する“死観”というものが、いずれグローバルスタンダードになるといい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年1月22日 (金)

マスメディアの腐壊と痴呆化

某全国放送は私は長年受信料不払い運動を続けているが、今日などは、不法軍事政権からの殺害を逃れて日本に亡命したビルマ人の談話の字幕(聴覚障害者など用)で、話者が「ビルマ」、「ラングーン」と一貫して言っているのに、字幕中ではそれらがすべて「ミャンマー」、「ヤンゴン」になっている。不法軍事政権が改訂した名前を使わないのは、せめてもの抵抗の姿勢のはず。それをまったく無神経に無視するなんて、ひどいわ。

その某全国放送のニュースに対しては、「お前は政府の広報かっ!」と言いたくなるものが多いが、ついにそれは、世界史上最悪の不法軍事政権の広報にも成り下がったのだ。受信料不払いぐらいでは生ぬるい。早期に解体消滅させんとあかんね。

参考URL: [腐壊していくマスメディア]

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年1月21日 (木)

結婚は悪である

人類のコミュニケーション不能性の核でもあり鎧(よろい)でもあるものが宗教だが、宗教はコミュニケーション不能の原因ではなく、コミュニケーション不能がその不安を無理やり固着(偽の安心)させるために捏造した超越的概念が宗教である。

そして、結婚という制度、ならびに結婚は至上の善であり福だあり幸であるとする概念も、実は共同体の宗教の枝葉の一つである。結婚は、宗教現象である。それはやはり、共同体とその成員に偽の安心を与える。

男と女は、そして男と男も女と女も、もっと複雑多様に愛し合わなければならない。閉じた排他的な愛にすぎない結婚は、したがって弁解の余地なく悪である。今不倫等々とネガティブな名前で呼ばれているmulti-direcitonal-love(多方向的愛)現象に、もっとポジティブな名称と社会的認知を与えなければならない。そのためには。「結婚==善」概念の否定が普及することが必要だ。

結婚の克服と否定。これも人類がコミュニケーション有能へと進化するための、重要なステップの一つだ。

参考URL: [婚姻と家族]

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2010年1月16日 (土)

Money on the Net

今夜の読み物を探している方に:

「インターネットは金融業界を破壊する?」

ネットワーキングは、お金のあり方、お金と人間・社会の関係を、長期的にどう変えていくか? 考えをふくらませながら読んでください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

自然の自然な一部としての死

ハイチにかぎらず、都市中〜国中に一度に大量の死者が出たら、そんなときのための用意がふだんからあるところはまずないから、地域も行政も途方に暮れるだろう。

しかし、前から書いておこうと思っていたことがある。

夏の終わりになると、蝉の死骸があちこちに落ちている。冬めいてくると、蟷螂があちこちでくたばっている。季節と関係なく、蛇、小鳥、狸などの死体に出会う。これらの死の光景はいずれも、きわめて自然で、何の異様感もない。ふつうの、あたりまえの光景だ。

それらの死は、自然の自然な一部として、自然に包まれ、自然に回収され、物質としても自然に消化され、自然に回帰していく。

人間の死は、社会的現象すぎて、自然現象の一環であるという自然感当然感、おだやかさ、まろやかさ、ひろやかさ、やさしさがなさすぎる。

人間すべてが、主観的にも客観的にも、完全な「個」、孤独な個になったとき、それはおそらく初めて、自然な死を死ねるだろう。その具体的な姿を、共に模索していきたい。

参考URL: 「生よ驕るなかれ」「英霊」

p.s. 「樹木葬」は、なかなか良い感じに見えたが。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月10日 (日)

ウエではなくヨコを見る, ソトではなくウチを見る

なんか、こう、ある種、これまでの人類の歩みに、行き詰まりを感じないと、コミュニケーションというものが、問題意識として、はっきり自覚されないと思うね。まだまだ、多くの人の目は、ウエを見たり、ソトを見たり、ガツガツ・キリキリしてるもんなぁ。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
All of those people
あの人たちばかりだ
Everywhere
どこにでもいるのは
Ever so needing
たえず何かを追い求め
Where's it all leading
いったい行き着く先はどこなのか
Tell me where
ねえ、どこへ向かってる気?
Nothing insincere
まじめに聞いてるんだけど

I'd better have pity
むしろあわれみを持つべきか
I'd better go easy
もっと気にせずに生きるべきか
I never will lay down
しかしここで倒れてしまう気はない
While my heart is still beating
この命というものが健在であるかぎり

Where it's all leading
みんなどこへ行き着くのか
Walk on air
夢遊病者のような歩み
Am I still dreaming
いや、夢を見ているのはぼくか
Words to spare
あえて言わなかった言葉
Lost in their meaning
その意味さえも今は失せて

I'd better be strong now
もっと強くなるべきか
I'd better stop dreaming
夢見るのをやめるべきか
My heart has flown away now
こころはどこかへ飛び去った
Will it never stop bleeding?
血したたる傷口のふさがることもなく?

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2010年1月 1日 (金)

フロンティアとしての人間の開拓(開墾)

メタ宗教(批判的宗教学、宗教批判)が必要である。

メタ数学(批判的数学、数学批判)が必要である。

メタ言語(批判的言語学、言語学批判)が必要である。[参考URL]

トレードの克服、対象化、相対化が、全地球市民の常識ならびにビヘイビアとして定着することが必要である。それはメタ経済であり、経済(オイコノモス)の原義の--レベルをグローバルにしての--回復だ。

人間という、これまで何万年放置された、踏み荒らされて硬くなった大地を、その全体をやわらかく開墾し、コミュニケーションを志向できる心の、緑の芽生えを誘引する必要がある。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

オートマチック・ケアフリー社会

現行の年金制度は、ひとつのシステムの設計として落第品である。(1)ルールどおりに長年毎月々々積立金を払わないと受給資格が得られない、(2)役所はこれらにつきもれなく正しいデータ管理ができる、この二つの前提はヒトと社会の現実に照らしてunrealである。システム設計として、ドシロウト以下だ。

オートマチック・ケアフリー社会は、すべての社会保障と社会福祉を一元化して、かつ支給処理等を基本的には完全自動化する。年金相当部分についていえば、自分が間違いなく積立金を払い続けなくても、歳くって(またはそのほかの理由で)収入が限界を下回るようになれば、自動的に不足分を補完する額が支給される。

要は、政治の重要要諦のひとつである「所得再配分」を、できるかぎり、自動化システムとして社会内に組み込むのである。数年のtrials and errorsは必要であろうが。原資も、消費税のような形で、ほぼ自動的に入ってくる形にしなければならない。

なお、企業年金等は、日航の例に見られるように本質的に問題ばらみであるので(企業経営の本質からまったく外れているし、ときには脚をひっぱる)、全廃し、全国民を単一の制度下に置く。

[参考URL: 「優しい日本を作る」]

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »