現代日本語としての「嫁」
最近の若い男性の中には、自分のオクサンのことを「嫁」と言う人が多いようだ。
私はそれを聞いて気持ち悪いが、それは私が「嫁」という語を、古い意味でとらえているからだ。女性が古めかしい『「家」本位制』(そしてそのトップである男性家父長)に従属するという…。
かつて農村の取材で「農家の嫁不足」なんて話を聞き、「女性を“嫁”なんて概念で見てるようなところへなんか、今時の女性は誰も来ませんよ」と反駁したことがある。
ではでは、今の(一部の?)若い男性において、自分のオクサンを指すときに使う「嫁」は、どんな意味や語感を持っているのか?。それは、いつごろ、どこらあたりから使われるようになったのか?。ご存じのかたは、この記事のコメントなどで教えていただけるとありがたい。
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コメント
私もあの「嫁」という言い方に違和感を持ちます。
なぜ、よりによってあのような古い表現をするのか不思議です。
地方では、未だにかつてと同様の意味合いの文字通りの「嫁」が氾濫してるようです。(地方の人妻メル友などとチャットなどするとその可哀相な悩みが驚くほど多い)
とくに親と同居や家を継ぐこととは関係ない若い男性がこの「嫁」を使う場合、単純に「自分の所有物」とか「独占物」というニュアンスが含まれるようですね。
若いお笑い芸人などにこの例が多く見られるようです。
起源としては、所謂、ヤンキー上がりの人間が好んで使い始めたもののようです。
ヤンキーというのは根底には保守的な部分を持っています。その行動もひじょうに形式的なものを嗜好しますので、当然このような規定されたボキャブラリーも好んで使います。
この現象、基本的には無視すべきものだと思います、気持ちわりぃけど…。
投稿: Formal Purge | 2009年4月27日 (月) 18時19分
こういうQ&Aページがあったので紹介します。
http://soudan1.biglobe.ne.jp/kotaeru.php3?q=3183954
Formal Purgeさんと同じとらえ方で「嫁」に抵抗感を持っている人もいますが、一方で関西の人が書いている自分のオクサンに対する「愛着と敬意」「自分に一番近しい女性に対する親しみやそれを語ることに対する照れ」というニュアンスも確かにあるんです、関西人の間には(私は関西出身の50代♂です)。なので私は今どきの若者が「うちのヨメ」と言うのを必ずしもイヤとは感じません。その若者がしゃべっているニュアンスによります。
投稿: tracer | 2009年4月27日 (月) 23時23分
はじめまして。tracerさんのお書きになった「自分に一番近しい女性に対する親しみやそれを語ることに対する照れ」というところが、ひっかかるところですね。たぶん、特定の人への「親しみ」を表現する言葉の一つが「嫁」なんでしょうね。「カミサン」という表現もかなり、今まで使われたことだし、じゃあ「嫁」でいくか、という使われ方かもしれません。
ある特定の女性を「嫁」と呼び、ほかの女性と区別する・・・・・岩谷さんが前からお書きの、「家族」という共同体志向を象徴するものとして異和感があるのではないかと思います。
投稿: nice | 2009年4月29日 (水) 08時14分
なるほど。関西の芸人のような人においては関西の伝統的日常庶民語「うちのヨメハン」の省略形短縮形であることは、Formal Purgeさん紹介のQAページで分かりました(一つの言葉の感受が人によってものすごく多様であることが分かる点でこのページはすごい!)。でも、今では関西人でない人も使う…東京の有名企業の社員のような人も。結局、従来からある語は、堅苦しいのや(「妻」「家内」など)古くさいの(「にょうぼ」「かみさん」など)ばっかしで、使えない、使いたくない、というあたりが、現代の新語としての「嫁」ないし「ヨメ」の出現理由かもしれない、と感じます。
私の問題意識の中核は、niceさんが後半のパラグラフで述べておられる通りです。今の新しい形式の芽生えとして、「ポリアモリー」や「特殊構成家族(famille recomposeeなど)」と並んで「パートナー婚」(仮称)ってのもありますが…互いに相手を婚姻という制度で束縛しない…、これら新しい形はすべて、子ども等が今の教育・医療・福祉といった制度の対象にならないことが問題です(そのほうが良いという面もあるが…)。これは、DVでフィジカルには分かれているのにダンナ(==婚姻制度の被恩恵人)のところへ給付金申請書類が行く、といった問題の対極であります。参考URL(婚姻と家族): http://homepage1.nifty.com/algafield/comevo26.html
投稿: 岩谷 宏 | 2009年4月29日 (水) 11時15分
妻、ワイフ、オクサン、、、ウチの妻君?もありましたね。ニョウボは女房?ウチのカミサンは刑事コロンボにしっくりだったのでいんふるされた世代もあったような気がします。嫁のさんぷるは、かやまユウゾウ僕のお嫁においで、よしだタクロウ結婚しようよ、ごうヒロミお嫁サンバなどいんふる源として考えられますが時代系列は不明です。私はtracerさんの照れ説に同意です。確かにほとんどが、うちのヨメですねぇ。私事よめはんと言った憶えもあります。う~~~ん何て言ったらいいのか、アイカタでもオクガタどもカナイでもないし、う~~ん当たり障りなくいきたいし、一応憲法や民法や正式な伝統に則って婚姻結婚したんやし」てな語感意味が合い感じられます。私も若けりゃそう言ったんじゃないかな。独身ではなくなって、家に帰ったら女がおる。私流解釈は単純に女の家かな?嗚呼女系社会哉
投稿: temlin | 2009年12月18日 (金) 01時27分
所変われば感じ方はさまざまですね。
私は関西出身で今は東海地方に住んでいます。
昔から「うちの嫁」で育って来ました。
また、自然と使い分けしています。
・愛着を込めて言う場合は「うちの嫁が・・・」
・怖い場合は「うちの奥さんが・・・」
・会社の上司には「うちの家内が・・・」
という感じです。
関西は、何でも愛着を込めて話します。
西川きよしは「きよっさん」
横山やすしは「やっさん」
笑福亭鶴瓶は「つるべちゃん」
間寛平は「かんぺいちゃん」
明石家さんまは「さんまちゃん」
うちのお袋はもちろん今でもこう言います。
ただし同年でも島田紳助は「しんすけ」
なんでやろ?
投稿: | 2010年4月19日 (月) 21時00分